Fukushima toukoukai Home page
No.5152
塩ノ川・下部 吾妻山・阿武隈川流域荒川支流
山行種別 無雪期沢登り
しおのかわ・かぶ 地形図

トップ沢登り>塩ノ川・下部

山行期間 2015年7月18日(土)
コースタイム 女沼駐車地点(8:06)→思いの滝(8:19)→砂防ダム越え終了(8:34)→柱状節理(10:16)→30m滝(11:30)→巻き終了・登山道徒渉点(11:50)→的場川出合(11:56)→つばくろ滝(12:20)→巻き終了(13:05)→ぎんぜんの滝(13:49)→巻き終了(15:40)→登山道(15:47)→登山道徒渉点(16:04)→女沼駐車地点(17:09)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
思いの滝への案内板 思いの滝は2段の滝・下段 思いの滝上段
砂防ダム 砂防ダムのステップ 遡行開始
以前あった橋の名残 淵の奥に滝が見える 8×20m滝
左岸を巻く 意味不明のマーキング 釜や淵が多い
ゴーロ歩くが続く 6m滝 6m滝は右岸から登る
7m滝 小滝が続く 右岸の柱状節理
大岩が転がる 30m滝
右岸支沢の2段15m滝
30m滝の落ち口 的場川出合 小滝が続く
4m滝 奥に見えるのがつばくろ滝 高巻きの最後は懸垂下降
ハーケン1枚を足がかりに越えた銚子口 5m斜滝は右岸を登る ぎんぜんの滝10m
右岸を巻く 巻き終わって沢に降りる 踏み跡薄い登山道

行動記録
 吾妻山域の数ある沢の中でも松川、中津川、塩ノ川は、3名渓と言われているようだ。名渓の定義はよく判らないが、渓谷美や滝などにあるのだろうと思う。3名渓を遡行する場合、いずれも1泊か2泊を要する。塩ノ川についていえば、自分は沢登りを始めた年の6年前に、上半分を日帰りで遡行したことがある。しかし、下半分は未だに未経験であった。今年の合宿は塩ノ川ということになり、下見を兼ねて下半分を遡行してみることにした。なお、会では近年の2009年に下部の遡行実績がある。
 土湯温泉から女沼へと進み、沼の畔に車を停める。「思いの滝」の案内板があるので、そこから遊歩道を歩き始める。10分ほどで思いの滝の説明板がある。その先から思いの滝に降りていくのだが、ちょっとしたアクシデントで自分だけ車に戻り20分のロス。あらためて8時過ぎに再スタートし階段で降りていくと、下段5m上段10mの思いの滝だ。女沼への取水設備がある。思いの滝は右岸斜面に取り付き小さく巻くことができる。落ち口には誰が付けたかトラロープがあった。すぐ上には大きな砂防ダムがある。両岸にステップがあるが、記録では左岸側となっている。砂防ダムは2段になっており、横移動と高さがあるので慎重に。川に降りるのもステップがあるので容易だ。溜まった泥を進んで流れに入ると遡行開始。
 最初は河原歩きだが徐々に沢らしくなってくる。15分ほどで淵のある8m×20m滝。左岸から巻くと踏み跡があった。所々に淵があるがゴーロ歩きが続く。塩ノ川の水は、水深があるところでは青白く見える。岩にマーキングを見かけるが、釣り師のものか何なのか意味不明。大きな釜のある6m滝が現れた。両岸にピンクテープが見える。右岸から小さく巻くが、登った先の右岸は倒木がやたらに多い。すぐ上の7m滝は左岸から巻いたが、2つの滝を一緒に左岸巻きでもいいだろう。その後は小滝や淵が続くが特に問題はない。この辺りでも焚き火の跡やロープが下がっていたりと、かなり人臭いのは予想外だった。
 やがて右岸に柱状節理の岩壁が現れた。高さはそれほどでもないが、なかなか見事である。しかし、ここには新しい木杭まであちこちにあり驚く。何かの調査が最近行われているようだ。右岸の斜面を伝い落ちる支沢を過ぎると、以前の記録で崩落地とされている辺り。ゴロゴロとした岩で石滝が多くなる。しばらく遡行を続けると、やがて右岸支沢が2段15m滝で落ちる。左岸に崩壊の進んでいる岩壁を見て左に曲がると30m滝がある。大きな釜を持ったこの滝を、つばくろ滝としている記録もあるが、1975年の会の記録では、もっと上流の滝をつばくろ滝としているので、今回も無名滝としておきたい。30m滝は登れないので巻くことになる。我々は滝のすぐ手前の右岸から登り始めたが、もう少し戻れば傾斜も緩いようだ。登り上げると登山道らしき踏み跡があったが、途中で不明瞭になり見失った。適当に斜面を下り15分ほどの高巻きで沢に下りたが、登山道の渡渉点より下流だったようだ。
 左に枝沢を見て、その次の支沢が的場川だ。その後はしばらく淵や小滝程度が続く。登山道の渡渉点より30分ほどでつばくろ滝だ。昔は滝の全体を見ることが出来たらしいが、今が大岩が邪魔をして一部しか見ることが出来ない。手練れのパーティーはこの滝を直登しているようだが、我々には無理なので、少し戻って右岸の急斜面から巻くことにする。あまり上まで登らずに、中間でザレ場をトラバースしてからクライムダウンしたが、最後の6〜7mは立木支点の懸垂下降で落ち口のすぐ上に降りた。巻きの所要時間は、ロープを出したこともあり2人で40分ほど。トラバースがちょっと嫌らしいので、初心者は要注意箇所だ。
 つばくろ滝の上はすぐ釜があり1m落差の銚子口。ここが意外に小難しい。ハーケン1枚を打って右岸から越える。次の6m斜滝は左を登ると、ぎんぜんの滝が現れる。釜を泳いで壁に取り付けば、登れそうにも思える。しかし、合宿ではどうだろうか。初心者も多いし泳ぎは避けたい。では巻こうとなったが両岸ともかなりの斜度で、結局右岸のザレ場を選び登り始めた。しかし、グズグズの岩屑に泥壁でかなり悪い。ロープを引いて4ピッチリードし、1時間20分かかって崖の上に抜けた。標高差は50〜60m程度と思われるが、時間がかかったのは支点を探してながら慎重に登ったからだ。こんな高巻きは久しぶりだ。やれやれとひと息ついてから、右岸をトラバースするように下る。10数分で沢に降り立った。ぎんぜんの滝は、昔の記録では普通に小さく巻いている感じである。しかし、2009年も今回もその巻きルートは見つけることが出来なかった。先輩によると昔は釜が深くなく容易に滝に近づけたと言うから、状況が変化したのかも知れない。やはり合宿では、つばくろ滝からここまでをまとめて巻くべきだろうと思う。渡渉して左岸を登ると、すぐ登山道を見つけることが出来た。踏み跡程度の道で、所々不明瞭なところもある。今は歩く人も少ないのだろう。途中では地滑り調査の施設らしきものを見かけた。793m標高点手前で道をロストしたが、しばらく山中をGPSだよりに歩き、再び道に出て1時間半弱で車に戻ることが出来た。(K.Ku)

ルート


Copyright(C) 2015 福島登高会 All Rights Reserved.