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No.5155
塩ノ川(夏合宿) 吾妻山・阿武隈川流域荒川支流
山行種別 無雪期沢登り
しおのかわ 地形図

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山行期間 2015年7月25日(土)〜26日(日)
コースタイム 7月25日  女沼(7:47)→思いの滝看板(8:05)→堰堤上部(8:20)→橋の跡(8:25)→8m×20m滝(8:41)→柱状節理(9:45)→30m滝(11:00)→的場川出合(11:45),12:20)→つばくろ滝(12:50)→幕営地(13:50)
7月26日  幕営地(6:05)→くらげ滝(6:30)→6m滝(7:10)→あじろ滝(8:35)→銚子滝(9:30)→やな滝(10:02)→3条2m滝(10:20)→左岸支流12m滝(11:01)→10m涸れ滝(12:01)→20m涸れ滝(12:41)→30m涸れ滝(13:25)→チョックストーン7m滝(14:38)→車道・スカイライン(15:10)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
出発前の打合せ 「思いの滝」の看板 堰堤上部に巻き完了
橋の跡 8m×20m斜瀑 美しい渓相が続く
左岸からの支流の1つ 柱状節理と間違た岩盤 トロの小滝
樹木が倒れてきている 「柱状節理」に到着 崩落部のゴーロ帯を進む
塩ノ川最大30m滝でパチリ 30m滝の滝裏は通行可能
右岸から2段15m滝
奥に見えるのが2条10m「つばくろ滝」 巻き完了、テンバのそばに到着 今夜の主食
焚き火で差入れを焼く 朝ミーティング まずは15m「くらげ滝」右岸より巻き
6m滝 右よりへつり この淵は泳ぎ隊と巻き隊に別れる 「あじろ滝」の淵が見えてくる
10m「あじろ滝」 15m「銚子滝」 見事! 銚子滝の上は景観が落ち着く
6m「やな滝」ここは左岸より巻き 新人はへつりの練習 珍しい3条2m小滝
泳がなくてもクリアできる淵だが・・ リーダーは泳ぎたい 崩落部に到着
黒い土質に興味深々 左岸からの支流12m滝 2条の流れ口すこぶる美しい
10m涸れ滝の落ち口 水が透明な緑 10m涸れ滝を直登 10mと6m涸れ滝の上部
20m涸れ滝にたどり着く 「雪代の床」も美しい 「雪代の床」は水がないのでとても暑かった
30m滝は直登する 30m滝の上部 高度感があり緊張した 記録のチョックストーン滝と勘違い
両岸が切り立ってくる チョックストーン7m滝 ストーン下部から・・・ くぐる!
出る! あとは河原歩きのみ 正面は一切経 車道の橋に到着
写真:柏○

行動記録
7月25日
 今年の沢合宿は荒川支流の「塩ノ川」である。塩ノ川は福島の沢登りでは良く知られている川で、最上部を除いて水の色がやや白く濁っているのが特徴である。また両岸の地盤がもろく、地滑りによる地形の変化が多いところでもある。今回の参加者は全部で10名の大部隊。農村公園「四季の里」に近い駐車場で車を乗り合わせ、一路、土湯の女沼へ向かった。天気も上々、あっという間に女沼に到着。皆手際よく準備を始めた。若干のヒューマンエラー(忘れ物など)もあったようだが、ほぼ問題なく出発(7:45)。今回は「思いの滝」に下降せず、リーダーの判断により、思いの滝の看板から少し先、登山道の右の藪から進入。そこから最短で滝と堰堤を巻いた。巻きの降り口は堰堤上部の右岸。急で地盤もよく滑ったが、全員無事に巻きを完了した。その後しばらく河原歩きが続く。8:25に「橋の跡」に到着。それを越すとすぐ右に支流を確認することができる。ここからやや灌木が覆って暗い雰囲気になり、その後ゴルジュとなる。8m×20mの斜瀑を左岸(上流に向かって右側)から巻くと、その先はすばらしい渓相でため息が漏れた。左岸側からの支流を2つ確認。少し進むと右岸(上流に向かって左側)に「柱状節理」のような岩盤に出会った。リーダーに確認したところ、これは記録にある柱状節理ではないようだ。柱状節理とは「柱の形をした規則正しい割れ目」という意味で、マグマが常温に冷える際にできる岩の現象ということ。少し残念に思い先に進む。周りを見ると所々に測量跡が見え隠れしている。砂防ダムか何かの測量だろうか。進むとトロを持つ小滝があり左岸から巻く。その次のV字の谷では樹木が根こそぎ倒れていたが台風の影響だろう。9:45、「柱状節理」に到着する。その大きさと迫力は圧巻で、これを見に来るだけでも価値はある。右岸に支流を確認し少し進むと右岸の崩落部が目立つようになる。一番ひどい箇所はゴーロも大きく、通過に一苦労する。右岸支流の2段15mの滝を確認しながら先を進む。いよいよ塩ノ川最大の30m滝に到着(11:00)。よく見ると30m滝周辺の地層の模様は一定ではない。何となく渦を巻いているように見える。脆弱な地盤との関係があるのか大いに興味がそそられる。またリーダーより最近では30m滝を「つばくろ滝」と紹介している文献があるようだがそうではないということを聞いた。小休止後、右岸の小尾根を高巻く。30分程度で巻き終わり、滝の上部にたどり着く。ここで新人のFさんを見ると全く疲れが見えない。自分はすでに疲労困憊であるのにその体力に感心する。滝上部に上がってすぐに登山道と右岸から小さな支流があり、ここで宿泊用の水取りと昼食を兼ねて大休止する。ここで夜の食卓に彩りをつけるべく採取班(Yu君と自分)が出動した。しかし残念ながら空振りに終わったことをここに報告する。大休止を終え出発。右岸に「的場川」を確認し小滝をいくつか超えると「つばくろ滝」に到着する(12:47)。つばくろ滝の直下に行くには幾つか難関を越えないと到着できない。今回は遠目に神秘的な2条10mのつばくろ滝を見つつ、その手前の大岩より右岸を巻く。ここから上の滝は記録では5m斜瀑、10m「ぎんぜん滝」、10m滝がある。しかし今回は一遍に巻くこととした。巻きを終え、沢床に到着したのは13:50であった。沢床付近には幕営に適している箇所が左岸にある。本日はここで一泊とする。ここで本日のみ参加のYaさんとFさんは左岸の登山道からパイロットファーム6号支線へ抜け帰宅となる。リーダーのKuさんは同年代で互いの掛け合いが絶妙であったYaさんがいなくなり、どこか寂しそうである。そして再び採取班(Yu君と自分)が行動開始。結果は「・・・・」という表現で勘弁してほしい。その後、新人のOさんと会長と副会長が幕営地に到着。夜はKaさんとリーダーの料理、そして今回は不参加のYoさん差入れのイワナをおいしくいただく。その後の酒宴ではW君の高笑いや新人Ka君の珍しい服装の話題などが楽しく続いた。しかし疲労困憊の自分はそれを子守歌替わりに失礼ながら先に眠りについてしまった。

7月26日
 朝、起きて空を眺める。今日も天気は良いようだが、周りを見ると昨日の疲れがあるためか、皆少し動きが鈍い。リーダーに急かされ準備を進める。本日はYaさんとFさんが抜け、Oさんが参加のため9名での遡行となる。6:05出発。ゴーロ歩きをしばらく続けると15m「くらげ滝」に到着する。以前はくらげのように覆いかぶさっていた岩があったようだが、現在面影はない。ここは右岸から巻くが、イバラが邪魔して少々閉口した。ここからゴルジュ地帯で滝が多い箇所である。くらげ滝と一緒に上部の12m滝も一緒に巻き、6m滝の手前で沢床に降りる(7:10)。6m滝は左岸をへつってクリアする。次は3m滝。ここの手前には長い淵があり、リーダーから「泳ぎ」が提案された。検討の結果、「泳ぎ」チームと濡れたくない「高巻きチーム」に別れてオールクリアした。そこから細い樋状のゴルジュをへつって進むと、屈曲している4m小滝にたどり着く。初見では磨かれ足場がないように見られたが、ハーケン1枚とリーダーが発見した水中のスタンスにより全員クリア。次の4m滝も左岸側をへつってクリア。7m滝と4m滝は右岸より巻く。今回は巻いたり、へつったり、泳いだりと全く勉強になる。次の10m「あじろ滝」は当初「銚子滝」と間違えてしまった。ここの釜では白く濁っている水質のためか、釜に陽が差すと深く青く不気味に見えた。ここを左岸から巻くと少しゴルジュが一瞬消えるが途中からすぐゴルジュが復活する。そしていよいよ15m「銚子滝」に到着(9:30)。銚子滝は美しい左右対称が特徴でとても正統派に見える滝。ここも登れないので左岸より巻く。その後の6m「やな滝」も行けそうな雰囲気であったが、大事をとって左岸より巻くこととした。ここまで暗いゴルジュを通過していたせいか体が冷え切ってしまった。疲労も出てきて足踏みで体を温めていると最年長のSaさんが目に留まった。自分の親のような御年でありながら、サブリーダーとして存在感を強く出している。鉄人である。自分も頑張らねば。このあたりを過ぎるとだんだん周辺が開けてくる。3条2mの珍しい滝を越えると河原歩きになる。10:40に崩落部到着。よく見ると崩落部の一部からは黒い鉄臭い液体が染み出ている箇所もある。地盤が脆弱であることがうかがえ、W君などは理系の血が騒ぐと興味深々。進むと左岸遠目に岩場が見えてくる。アメリカ、ラシュモア山に彫刻した大統領の顔のように見え荘厳である。このあと左岸からの支流にぶつかる。水流が山肌の岩から染み出ているようで、12mの滝状になっている。ここの周辺も崩落が顕著であるが、ここを越えると崩落は落ち着いてくる。徐々に景観は素晴らしくなり、水の透明度も増してきたようだ。このあたりから皆疲れのため、ちょっとしたところで転倒している。まだ行程は約半分。注意が必要である。疲労を騙しながら進むと10m涸れ滝に着く。涸れ滝だが手前の落ち口には湧水により水が蓄えられている。その色は緑青でどこまでも透明。ここの涸れ滝は向かって左からショルダーを駆使し直登する。昔はショルダーなど使わないで直登できたとのリーダーの言。ここを登るとすぐ6mの涸れ滝がある。ここも落ち口に水を蓄えているが下段の滝ほど美しくはない。ここは右岸より巻く。ここから上部は完全な涸れ沢になっている。12:41、20m涸れ滝に到着。あまり涸れた沢や滝を見たことがないせいか圧巻であった。ここは右岸より巻いた。ここから上は「雪代の床」と名付けられた特殊な涸れ沢である。波立つようなナメ床が続いていて、雨水がところどころに溜まっている。涸れているのでグリップは問題ないと思われたが、何故か滑る箇所が幾つかあり、やや気の抜けない遡行となる。涸れた左俣を確認した後、雪代の床の最終地点には30m涸れ滝が待ち構えている(13:28)。リーダーが先に直登しロープを固定。後続が順に登る。高度感があり自分は戦慄が走ったが皆はどうだったのだろうか。全員登り終え少し進むと、両岸が切り立ってきてゴーロが出てくる。ゴーロの処理で各自一苦労しているのに対し、Oさんは本日からということもあるだろうが体さばきが軽快。リーダーがとても感心していた。この岩場のゴーロ部を進むとチョックストーン7m涸れ滝に到着。通常は巻くが、リーダーの事前情報ではチョックストーンの下からくぐることができるということ。情報を確認すべく水が溜まっている落ち口に近づくと、体の大きいリーダーでもくぐれる縦穴を発見。ここを皆でくぐってクリア。最後の最後に楽しい発見もあって、皆に高揚感が沸き立ち、文系サブリーダーKeさんのポエムな景観表現も相まって場が和む。正面に一切経、そして左岸側に吾妻小富士を眺めながら河原を歩く。河原は火山堆積物の影響であろうか茶色一色になっている。登山道の横断部を過ぎた後、15:10車道に到着。計画より少しオーバーしたが無事この2日間が終わった。車道を少し歩き、兎平駐車場へと向かった。その後女沼で車を回収し、土湯の「こけし湯」で汗を流し、乗り合わせをした駐車場に移動。そこで解散となった。(S.Su)

遡行図
作図:渡○

ルート

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