Fukushima toukoukai Home page
No.5167
姥滝沢 吾妻山系・阿武隈川支流須川流域
山行種別 無雪期沢登り
うばたきさわ 地形図

トップ沢登り>姥滝沢

山行期間 2015年8月23日(日)
コースタイム 微温湯温泉(8:24)→姥滝沢・入渓(8:57)→F1・姥滝(9:50,10:12)→F2・6m(10:44,11:10)→F3・5m(11:15)→F4・6m(11:23,11:33)→F5・7m(11:39,11:46)→F6・5m(11:48)→休憩(11:58,12:15)→三俣(12:36)→登山道(13:12,13:31)→微温湯温泉(15:00)
写真 写真は拡大することが出来ます
出発前のミーティング 姥滝が見えてきた F1・15m(姥滝)
F2・6m 左岸を巻いた F4・6m
小滝を過ぎると平坦なゴーロになる 三俣で遡行終了とする 草地から登山道へ向かう
エゾオヤマリンドウ 微温湯〜浄土平の登山道に出る 登山道で微温湯温泉へ

行動記録
 今回、姥滝沢は小雨が降る中での遡行となった。メンバーは全員で6名、内1名が沢登りが初めでもあり、雨の洗礼を受けての遡行となった。
 出発地点となる微温湯(ぬるゆ)温泉へとつながる道路(県道126号線)が通行止めのため吾妻運動公園側からの道路(通称パイロット道路)しかないので注意していかねばならない。
 微温湯の駐車場に着き、車を微温湯温泉の旅館の方へ許可をとって駐めさせてもらい、遡行準備を行なった。
 姥滝沢は人があまり入っていないためなのか沢までの道のり(約30分)は踏み跡が薄くなっており初めて行く方には注意が必要だと思われる。
 入渓後大岩、ゴローが続き約40分で姥滝(F1:15m)へと出合う。姥滝だが、左岸を小さく巻き(約20分)上へと抜ける。昔の遡行図を確認すると姥滝を抜けすぐに夫婦滝に出合うはずなのだが確認できない。沢の形状も変化しているようで夫婦滝はもう無くなったのかもしれない。昔のF3を現在のF2として整理する。
 F2(6m)は、上段部がハングとなっており初心者もいる今回は左岸を巻き(枝付き)岩の上よりフィックスをはりトラバースを行なう。F3(5m)は、そこまで難しい滝では無かったため滝の右岸部直登する。F3〜F4へと遡行している時にうっすらと硫黄のにおいがし始めてきた。
 F4(6m)だが小休止とともに若手3名が沢登りの醍醐味?滝にうたれて遊ぶという雨にも負けない心強さだ。滝にうたれ、顔についた水が若干だが温泉の味がする。その後、左岸部を巻き、登ってきた所から下を見ると雨のためかまったく下の方が雲で見えない。
 F5(7m)についてはブッシュがあるので特に問題なく左岸部を巻く。F6(5m)だが足着きがいいので滝をそのまま直登を行なう。最後に小滝連続だがこれは見方によっては、滝ではなく巨石を登ってると感じるかもしれないのでここではあえてFはつけてはいない。平坦なゴローの沢になり昼食とする。
 昼食後は、ほぼ平坦なゴローを遡行し支沢(分岐)へと出合う。地形図では三俣なのだが、水の流れは中央と右側(山へ向かって)しか確認できなかった。
 中央の支沢に入り、すぐに右岸部のブッシュを上がる。すぐに草地となる。今の時期だとエゾオヤマリンドウなどが見られ心地いい気分である。本来ならば、ここから少し登るとスカイラインや吾妻小富士などが確認できるのだが小雨のため雲で確認はできない。
 先ほどの左側(山へ向かって)の支沢は草地に出るとくぼんでいるので確認はできる。登山道へは、草地の中を行くのだが特に問題はないと思うが、左に寄りすぎると藪が濃くなるので自分のいる位置を確認しながら登った方がいいだろう。
 登山道自体ぬける場合、場所にもよるが変化が少ないので分かりにくいかもしれない。登山道に抜け車を置いてきた微温湯温泉へと戻る。
 沢登り終了後の微温湯(ぬるゆ)温泉だが雨にうたれて冷えた身体だと少し温かく感じられる。ただ、温泉をあがる際には隣にある温めた温泉に入らないと体が冷えてしまう気がする。(天候、季節にもよる)
 今回の姥滝沢ですが自分が感じたのは、ゴローに出るまではずっと登りで巨石は多いのだが滝自体の巻きも小さくできるのでそこまで難しい沢ではない。ただ、釜を持った滝もないので夏場に遡行し泳ぎたいと思っても泳げないのが残念だ。装備なのだが自分たちが巻いた滝を直登したいと思わなければ30m×1本あれば十分な遡行は行えると思う。(柏○)

<沢登りをして感じたこと>
 雨が降っていることをいつのまにか忘れていた。すぐ目の前に滝がある。高さは15mくらいだろうか。姥滝との初顔合わせ。それほど大きくないのだろうが、それでも自然の造形美には息を飲み込まざるを得ない。ここまで苦労して登ってきただけのことはある。そんな感動もつかの間、先へ進むメンバーの背を目にして思う。どうやら道中はまだ前半戦だったらしい。
 2015年8月23日。天候は決して良くはなく朝から小雨が続いていたが、おかげで一層森が輝きを増しているように見える。登山は、社会人になってから再開した。高校1年時は山岳部であったが、テントばかり運ばされ1年で辞めた。じゃんけんが強かったらもう少し在籍していたと思うのだが、沢登りはそんな短い山岳部期間で一度だけ経験して以来だった。
 沢登りは一般登山では決して味わえない山の表情に出会うことができる。水の流れ、音、景色、足裏を伝わる石の感触。一般登山とは全く違うスキルを要求され、当然のことながら装備も異なる。自分でコースを選び、時には道のないところを進む。整備された登山道しか足をふみ入れてこなかったこれまでとはまるで違う。高巻きではそれを痛感した。滑り落ちないよう枝や草を必死でつかみ足を運ぶ。これまでの経験はまるで役に立たない。沢登りでは沢登りの経験とテクニックが必要とされる。時には一般登山道ではまず使うことがないロープを駆使し崖伝いに進む。沢の危険がわからない自分は、周りのサポートで回避している状態だ。沢での一歩は頭と体力が試されていると感じる。
 常に緊張を強いられ沢を抜け、登山道に合流し、再び出発地点に戻った時には既にヘトヘトであった。その後、疲れた体を温泉で癒す。贅沢なひとときだ。自然と向き合い、自然に浸かる沢登り。まさに最高の遊びである。帰りの車中、うとうとしながら沢山の楽しい時間を振り返りながら、ふとそんなことを思った。(金○)

遡行図 遡行図は拡大することが出来ます


ルート


Copyright(C) 2015 福島登高会 All Rights Reserved.