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No.5173
南沢 阿武隈川源流
山行種別 無雪期沢登り
みなみさわ 地形図

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山行期間 2015年9月13日(日)
コースタイム 奥甲子・駐車地点(8:12)→南沢出合(8:48)→F1・8m(8:53)→二俣(11:31)→F9・30m(11:58)→奥の二俣(13:12)→甲子山(13:58,14:38)→駐車地点(15:39)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
阿武隈川へ降る道 甲子大橋の橋脚脇を通る 阿武隈川本流
南沢出合 F1・8m 増水している
2011年のF1 右壁より登る F2・6m
右壁を直登 3m滝をシャワーで F3・8m
左岸を巻いて落ち口へ F4・6m 残置支点
F5・3m(以前は5m) 2011年のF5 左壁を登る
2人の動きがシンクロしてきた F6・10m フリーで登る
枝沢の滝と並列のF7 F7・5m 右壁を登る
F8・6m 前衛の3m滝をへつる
F9が見えてきた
高度感があり緊張の登攀 F10・6m
F9・30mを見上げる
右壁を直登 荒れた感じの奥の二俣 5m滝
ナメが続く 四つんばいで登る 山頂直下のスラブ
山頂ドンピシャだ 大黒屋を通り駐車場所へ戻る 甲子大橋

行動記録
 13日は甲子山の南沢へ。阿武隈川源流の沢で、遡行距離は短いが登れる滝が多く、初級者のトレーニングにうってつけである。しかし、先日の台風18号の影響による大雨は去ったが、水量はまだ平水に戻ってはいないだろう。南沢の水位は直接わからないが、比較的近い場所の阿武隈川の水位状況をモニターしてみると、まだ増水が残っているもののだいぶ低下している。最終的には現地判断することにして、向かうことにした。参加者は今年から沢登りを始めたばかりの深◯さんと、沢登り歴数年で20本目ほどの羽◯さんの3人となった。
 国道289号の安心坂トンネルを抜けてすぐに左折し、甲子温泉大黒屋へ向かう道を下る。途中の道路脇に空きスペースがあり車を止める。沢支度をして出発。阿武隈川へと降りる道は入口部分だけ舗装で、奥が小さい広場になっている。そこから甲子大橋の橋脚脇を通り、阿武隈川の右岸を上流へと歩く。この辺だろうと沢に降りたが、どうも行き過ぎてしまったようだ。戻ってあらためて阿武隈川に降りる。後で確認すると、古い保安林看板先から右に下りる踏み跡があったらしいが、見落としてしまったようだ。南沢の出合は樹林で覆われ目立たない。すぐ上流にある一里沢に間違えて入るパーティーもいるので注意したい。駐車地点から南沢出合までは、間違わなければ20分とかからない道のりだろう。
 遡行を始めるとほどなくF1・8mが現れる。4年前に遡行したときとは大違いで、盛大に水を落としている。まともに水流に入れば吹っ飛ばされるだろう。この滝は水流右を容易に登れるのだが、今日の状態ではまったく無理なのでロープを出すことにする。ビレイを羽○さんに頼んで自分がリードで登る。右壁下部を直上してランニングを取り、へつるように上部を登って立木に支点を取る。セカンドの深○さんにはマイクロアッセンダーを貸してあげた。フリクションノットのようにロープを滑らす必要がないので登攀に集中できる。ラストの羽○さんをビレイして登ってもらうとF1クリアだ。初っ端から良いトレーニングになったが、今日の南沢は時間がかかりそうである。
 次の滝はF2・6m。4年前は左岸を巻いたが今日は右壁を登るつもりだ。岩は脆くホールドは細かいが、それほど難しくはない。青いシュリンゲの残置も借りて直登する。ここもロープを出して、F1と同じ手順で登ってもらう。F3・8mは右壁直登の記録がある。しかし、実際に登るとすればかなりしょっぱい登攀になるだろう。さっさと左岸にある踏み跡を追って巻くことにする。4年前は沢へ戻るのに懸垂下降となったのだが、今日は何のこともなく落ち口に小さく巻くことが出来た。
 F4・6mも右壁に古いシュリンゲの残置がある。ロープを出して右壁を登ると、滝の上に残置支点があり利用させてもらう。南沢は残置の数からも、入渓パーティーが多いことがうかがい知れる。ゴルジュとなり狭まって左に屈曲する小滝は、水量が多いためへつりにちょっと苦労して羽◯さんがドボンする。やがて滝が現れF5かと思ったが、高さは3mほどでこんなに低くはなかったはず。おかしいなと思いながらも一応記録を取る。さらにしばらく進むと見覚えのあるF6・10mが現れた。ということは先ほどの滝はやはりF5だったのだ。3mでは小滝で整理してしまいそうな高さだが、以前のフォールナンバーと合わせた方が比較しやすいのでF5として記録する。(後で調べるとF5はやはりあの3m弱の滝。他の記録の画像も調べて推察すると、2012年から2013年の間に岩クズが堆積して埋まり、滝が低くなってしまったようだ。)
 F6・10mは見た目より傾斜が寝ている。水流右が容易だが、ちょっとヌメるので慎重に。すぐ1195mの二俣になり右俣へ。二俣から数分でF7・5m。左から合わせる枝沢とは狭い壁を挟み、並列の滝のようになる面白い地形だ。F7は右壁から直登が容易だが、途中でお助けを出す。F8・6mはナメ状の水流右を登る。
 ゴルジュが左へ屈曲すると、この沢最大のF9・30mが現れる。豪快に水を飛ばしていて見応えがある。この滝は右岸から滝身に向かって斜上し、水流左の岩を直登できるが、下部斜面が浮き石だらけで落石が発生しやすい。2人に斜面から目を離さず落石に警戒するよう注意し、羽◯さんにビレイをお願いする。登っている途中で実際に数個の落石が発生。中段から岩に取り付き、残置ハーケンにランニングを取って直上する。スタンスホールドは十分あるが、濡れているので慎重に登る。30mロープ一杯でピッチを切り、木の根に支点を取ると2人に合図して登ってもらう。深◯さんはこんな大滝の直登は初めてのはずで、その緊張感がこちらにも伝わってくる。2人にセルフビレイを取ってもらい、残り5mを登って2人を引き上げるとひと仕事が終わる。
 F10・6mは水流右から容易。念のためお助けを出すが、2人とも安定して登るので見ていて心配いらない感じだ。やがて奥の二俣。3:1で水量が多いのは左俣だが、4年前と同じく山頂に至る右俣を選ぶ。ぐっと細くなった沢を辿り、水がわずかに落ちる5m滝を越えると、小道のようなナメになる。ナメは徐々に傾斜を増し、左右のササや灌木を手がかりに登る。
 分岐はすべて右を選び、斜度がきつくて四つんばいで登るようになると、山頂直下のスラブが見えてくる。今日はスラブが乾いているので直登を試みる。かなりの斜度だが、フェルトソールでもペタペタと登ることが出来る。濡れているときは左右どちらかのヤブに逃げればよい。最後にヤブこぎ数分で山頂に飛び出した。続いて2人が笑顔でヤブから顔を出した。他の登山者に見せられなかったのがちょっと残念。ガスで眺めはないが、ゆっくり遅い昼食を取る。途中でひと雨降られながら下山。沢の中で降られなくて良かった。大黒屋の中を通らせてもらって車に戻る。大黒屋の日帰り入浴は15時までなので、ちゃぽランド西郷(600円)でさっぱりした。今日は女子2人がしっかり頑張ってくれたことに感謝。羽◯さんはもうそろそろ、初心者から次のステップに移行だろう。今年から沢登りを始めたばかりの深◯さんも着実に進歩している。次回が楽しみである。(K.Ku)

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