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No.5367
京淵沢 二口山塊 名取川支流大行沢
山行種別 無雪期沢登り
きょうぶちさわ 地形図

トップ沢登り>京淵沢

山行期間 2016年7月18日(月)
コースタイム 登山口(8:04)→大行沢入渓(8:37)→梯子滝(9:20)→登山道(9:36)→入渓(9:40)→大東滝(10:55)→高巻き開始(11:12)〜京淵沢復帰(11:48)→20m滝(12:11)→登山道(13:38)→大東岳山頂(13:50,14:15)→登山口(15:46)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
大東岳裏コースを辿る 大行沢で水遊び 京淵沢の梯子滝
2m滝は流木利用で 穏やかな渓相だ ナメが続く
4m滝 岩屑で伏流となる 正面に岩壁が立ちはだかる
大東滝が見えてきた 登攀ルートは右のルンゼ状だというが
大東滝を見上げる
自分には登れる気がしない 枝沢から高巻く 斜度のあるナメを登攀
4m壁滝 京淵沢に戻る 6m滝
5m滝 20m滝 右壁にロープを伸ばす
源頭部を詰める 登山道に出た 大東岳山頂

行動記録
 二口山塊の沢登り第2弾は京淵沢を選んだ。この沢も気にはなっていたが、これまで機会が無く今回が初めての遡行となる。メンバーはいつもの2人に加え、初顔合わせとなる千◯さんの4人となった。
 いつも登山者の車が多い大東岳登山口だが、今日は比較的すいていた。準備をしていると千◯さんが颯爽とバイクで現れた。予定通り午前8時過ぎに出発し、大東岳裏コースの登山道を辿る。白滝沢を過ぎたところで古い登山道の方へ入ってしまったついでに、そのまま大行沢に降りて遡行することにした。登山道歩きで暑かったので、沢水の冷たさが気持ち良い。巨岩帯では千◯さんがクライミング能力を発揮する。彼は身長があり手足も長いうえにセンスもあるようだ。自分が苦労して登ったところを軽々と越えてくる。いつしか自分が最後尾から3人についていくという感じになってしまった。40分ほど大行沢を遡行すると京淵沢出合だ。京淵沢に入って20mの梯子滝を眺め、少し戻って左岸急斜面の踏み跡を登ると、登山道の裏磐司展望台に出る。少し歩いて再び京淵沢に入渓すると、すぐ2mの滝がある。泳いで取り付き流木を利用して越え、次の4m滝は左から巻いた。この2つの滝は、沢と並行する登山道でカットすることもできる。
 その後はナメとなり、小滝がいくつかと直登できる4m滝がひとつある程度で、穏やかな渓相が続く。入渓して40分ほどで右から水量がわずかな枝沢が合わせると、その上で水流は消えて岩屑で埋まった伏流帯となる。水は大量の岩屑の下を流れているようだ。やがて前方に大きな岩壁が見えてくる。柱状節理のような見るからに脆い岩であり、大量の岩屑の発生源であることがわかる。沢はこの岩壁で左に曲がり、ほどなく水流が現れてくる。沢は折り重なる岩で高度を上げると、やがて大東滝が見えてきた。
 登山大系には高さ70mとあるが、斜度が立っている下部に対して上部は寝ているようで、滝の全容を見ることは出来ない。最下部の5mほどの垂壁には残置のハーケンとボルトがあり、これを利用して上のテラスに乗り、右に移ってルンゼ状を登るのだとは想定できる。とはいえ下から見上げると、とても自分には登れる気がしない。しかし、千◯さんは昨年、4人パーティーで遡行して大東滝をトップで登っている。ランニングビレイはか細い灌木程度しか取れず、ハーケンの効くリスも少なく浮き石もあり、かなり緊張した登攀が続いたのだという。そんな事前情報もあり、今日は高巻くつもりでロープは30mしか持ってきていない。千◯さんによると、ロープは50mなら3ピッチ、60mなら2ピッチだろうとのこと。4人でしばらくあれこれと登攀ルート談義をする。
 大東滝の高巻きには左岸の枝沢を登る。枝沢は取り付きの岩屑を越えると黒光りするナメ滝が続くが、見た目ほどは滑らない。とはいえ斜度はあるのでスリップには注意だ。途中に古い残置ハーケンとシュリンゲがあり、ここを懸垂下降でもしたのだろうか。4mの壁滝ではお助けロープのお世話になる。さらに登って、この辺だろうと左のヤブへ入ってトラバースすると、あっさりと京淵沢に戻ることができた。ここまで来ると京淵沢は思いのほか小さな流れになっている。我々は大東滝の落ち口よりかなり上に出てしまったようだ。他の記録では落ち口の上部に出たが、草付のトラバースが嫌らしかったとの記録もある。傾斜の増したゴーロを登っていくと、黒い6m滝が現れるが容易に直登。ナメ小滝を越えていくとカラビナとシュリンゲが落ちていた。
 黒い5m滝を登ると20m滝が現れる。滝とは言っても水量が少ないので、水は岩肌を伝い濡らす程度だ。右壁に◯樹さんが取り付き、30mロープいっぱいに伸ばしてピッチを切る。そこからトラバースするとちょうど落ち口の上に出た。この滝も千◯さんはフリーで登ったのだというから、いやはやである。その後は源頭を詰めていき、1,270mで沢筋を離れ左手のヤブに突入。地形図を見て登山道に最短距離で出るもくろみだ。しかし、地形図の登山道は実際とはずれていたようで、登山道を探してウロウロするハメになった。計20分ほどのヤブこぎで「弥吉ころばし」の標識のところで登山道に出た。素直に沢筋を最後まで辿ったほうが良かったのかもしれない。登山道を10分ほど歩いて大東岳の山頂に到着。やっと昼飯にありつき、沢装備を解くと表コースで下山した。(K.Ku)

ルート
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平28情複、 第162号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。



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