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No.5604
蔵王・コガ沢滝沢 児捨川流域垂清川支流
山行種別 無雪期沢登り
ざおう・こがさわたきさわ 地形図

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山行期間 2017年7月22日(土)
コースタイム
白石スキー場(7:40)→入渓(8:43)→権現沢出合(9:45)→10mナメ滝(10:28)→滝沢出合(12:30)→20m涸れ滝(14:06)→稜線登山道(15:13,15:30)→不忘山(15:57)→白石スキー場(17:55)
写真 写真は拡大してみることが出来ます
夏空のゲレンデ 暑いので早めに入渓 小手調べの5m滝
権現沢出合手前の4m滝 権現沢出合を右俣のコガ沢へ 出合から上は小滝が続く
4mほどの石滝 2m滝
幅広のナメ10m滝
上部の10m滝 この滝を越えたところでアクシデント発生 8m滝
滝沢出合 滝沢最初の8m滝 5m滝は枝沢が滝で出合う
7m滝 4m滝 8m涸れ滝
20m涸れ滝 源頭部を詰める 稜線へと詰める
ヤブに突入 稜線に出た 不忘山とヒナウスユキソウ

行動記録
 南屏風岳東面を集水域とするコガ沢は、これまで何度か遡行している。コガ沢には何本か枝沢が入るが、その一つである滝沢は未遡行なので機会があればと思っていた。22日は予定がキャンセルで空いてしまったので、滝沢をに行ってみることにした。パートナーは急な誘いにも乗ってくれることの多いF井さん。沢登りの経験はまだ少ないF井さんだが、ちょうど良いトレーニングにもなるだろう。
 白石スキー場の駐車場からスタート。ゲレンデを登っていくとたちまち汗が噴き出てくる。水引コースへ入ってしばらく歩き、登山道が沢まで下りたところで入渓した。ひんやりとした沢水に浸かると汗が引っ込んでくる。ゴーロがしばらく続き、滝をいくつか越えると権現沢出合だ。ここまでスキー場からは約2時間で順調といえる。出合のすぐ上で登山道が横断しているので、時間短縮したい場合はここから入渓する方法もある。左から5mほどの滝で合わせる権現沢は、滝の巻きが1か所あるくらいで易しい沢といえる。
 二俣を右俣のコガ沢へと進み、登山道渡渉点のロープをくぐると小滝が続く。へつったりよじ登ったりちょっとテクニカルで面白い場所だ。5m滝を越えると幅広のナメが現れる。下部の10m滝は傾斜が緩いが岩が滑りやすいので注意して歩こう。上部の10m滝は傾斜が急になるのでロープを出した。滑る岩にちょっと緊張して登る。さらに上にもナメがあるのでスリップに注意が必要だ。4m滝に続く3m滝を越えたところでアクシデント発生。左眼に虫が入ったようで痛みが走った。虫が動くのでかなりの痛みで眼も開けられない。痛みが少し引いたのでF井さんに眼を見てもらったが、虫はいないようだとのこと。昼食を兼ねてしばらく休んだら痛みも治まってきたので遡行を続けることにした。(実は翌日の昼過ぎに目ヤニと一緒に体長5ミリほどのアリが左眼から出てきた!)
 右から表入道沢を合わせるとナメとなり釜のある8m滝。釜は左岸をへつって水流右を登る。F井さんにはロープを出したが、釜のへつりが上手くいかずに何度もドボン。やっとへつって登れたがだいぶ体力消耗した様子だ。前方に南屏風岳の東面が見えてくると二俣となる。左が滝沢だ。入り口が狭くて拍子抜けするほど小沢の印象。以前コガ沢を遡行したときは、滝沢とは思わずに通り過ぎてしまった。少し歩くと二俣があり水流のある右へ進む。右岸に8m滝が現れて沢は左へ直角に曲がる。この滝の登りは容易。次に現れたのは2条の滝で高さは5mほど。この2条の流れは各々別の沢で右が枝沢のようだ。左壁から小さく巻こうとしたが、手がかり足がかりに乏しくちょっと嫌らしい。結局ロープを出したが慣れない登りにF井さんも少々手こずる。沢に下りるとすぐ7m滝だが右から快適に登る。次の二俣を水流のある右へ進むとすぐ4m滝を越える。
 徐々に源頭の雰囲気となり、流れは細くやがて途切れがちとなる。水が枯れてから現れた二俣も、南屏風岳に向かうと思われる右へ進む。8m涸れ滝を容易に越えると沢は開け、前方に岩壁が現れる。中央部に一筋濡れているところがあり、時期によっては滝となるのだろう。F井さんに先行してもらうと中央部をするする登っていく。手がかり足がかりはあるようだが岩は結構立っている。中段に小テラスはあるが全体で高さ20mはあるだろう。ここはロープを出すべきだったとちょっと反省。
 10mほどのツルっとした涸れ滝を左から灌木頼りで越えると、傾斜が増した岩登りでどんどん高度を上げていく。いったんザレ場になってから笹ヤブに突入。20分近くヤブ漕ぎをして稜線の登山道に出た。ガスで眺めは無いが南屏風岳山頂の少し南側のようだ。沢靴を下山用の靴に履き替えて下る。不忘山を経由してツルツル滑る登山道をゆっくり歩き白石スキー場に戻った。今回はいろいろあって10時間以上の行程となったが、通常は8〜9時間での遡行が可能だろう。
 さて、滝沢はその名のとおり滝の多い沢だった。水量は少ないが様々な滝を登って稜線に到達することができる。あまり難しいところは無いので、しっかりしたリーダーがいれば初心者も楽しく遡行ができるだろう。ただし、初心者だけでの入渓は避けたい。(K.Ku)

ルート
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、 第353号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

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