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No.5645 |
井戸沢 |
那須・苦土川(湯川)支流 |
山行種別 |
無雪期沢登り |
いどさわ |
地形図 |
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大川林道終点から歩き始める |
三斗小屋宿跡 |
右へ折れて湯川へ下降 |
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那珂川源流の碑と登山道の橋 |
水流の無い井戸沢出合 |
木で化粧した砂防ダム |
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ダムを越える |
堰堤のような4m滝 |
12m滝 |
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右のリッジを登る |
4mナメ滝 |
8m斜滝 |
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すだれ状の10m滝 |
6m滝 |
10mナメ滝 |
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15m滝 |
3段8mナメ滝 |
4m滝 |
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横階段状の4m滝 |
4m滝 |
段差のあるナメが続く |
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二俣(1,390m)を右俣へ |
傾斜のあるナメを登っていく |
4m滝 |
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傾斜のあるナメが続く |
4m滝 |
トイ状8m滝 |
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高度を上げる |
最後の涸れ二俣を右へ |
稜線直下の笹は背が低い |
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流石山山頂 |
大峠へと下る |
大峠の十字路 |
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峠沢の登山道渡渉点 |
峠沢を下降する |
ゲートに到着 |
行動記録 |
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那須の井戸沢は、そのうちにと思いながら延び延びになっていた未遡行の沢。自宅からちょっと距離(170キロ以上)があることと、いつでも登れそうだという印象が邪魔をしていた。そんな訳で時間だけが過ぎてしまったが、ここいらで登っておこうと井戸沢に行くことにした。初級者もOKとしてメンバー募集した結果5人パーティーとなったが、S木さんだけは井戸沢経験者とのこと。30年前の沢登りを始めた初期の頃に遡行したことがあるという。16日の予報は曇りだが、台風が北上していることを考えれば風雨にならないだけマシというものだ。
白石に5時30分集合。福島でS木さんを乗せて高速で移動。那須ICから深山ダムを経由して未舗装の大川林道へ入る。橋の手前が林道終点で、先着していたW井さんと合流。数台分のスペースは先客で埋まっていたので、少し手前の道路脇に停める。橋にはゲートがあり鍵がかかっているが、後から来た車が開けて走っていった。小屋関係か釣り師なのか鍵を持っている人たちがいるようだ。我々はゲートを乗り越えて橋を渡りテクシーである。林道は幅があり歩きやすい。歴史のある三斗小屋宿跡を過ぎると分岐があり、右の川に下りていく方が登山道だ。車もここまでなので分岐周辺に車が置いてある。そのまま進む方は会津中街道の地形図にない細い道へとつながり、井戸沢にもすぐ出られたことは後で知った。川に下ると那珂川源流の碑があり、登山道は木橋で川を渡る。我々はここで沢支度を整えると川に入った。地形図ではすぐ左から井戸沢が出合うのだが、水流が無いとは思っていなかったので通り過ぎてしまった。すぐ気づいて戻ったのだが、記録を斜め読みしかしてこなかったツケである。井戸沢に入って涸れたゴーロを遡っていくと細い水流が現れる。表面を木材で化粧した砂防ダムが現れ、右岸にあったトラロープを使って越える。ダムの中央部から砂地にジャンプして降りる。堆積した岩屑の上を進むと、やっと本来の沢となりここからが本番の遡行だ。
最初の滝は堰堤状の4m滝。難なく直登するとすぐ末広がりの12m滝が現れる。水流中央あるいは左の凹角沿いに登れそうにも思えるが、ここは無難に左岸のリッジを登ることにする。練習ということでH田にリードしてもらうことにする。沢の本番では初リードのはず。H田は下からの指示も受けながら中間支点を潅木に取り、その上のハング気味の箇所は残置も使って乗っ越し立ち木に支点を取った。後続のビレイについてはレクチャーをS木さんに頼む。良い練習になったが、結局この沢でロープを出したのはこの滝だけだった。12m滝の上はすぐ4mナメ滝で、2m滝、8m斜滝と次々に続く。いずれも直登可能だが、ヌメっている岩が結構多いのでスリップには注意したい。すだれ状の10m滝は水流脇をブッシュを使って左右から登り、すぐ上の6m滝は立っているが右岸の踏み跡で容易に登ることができる。続く10mナメ滝は容易だが、濡れた岩のスリップには注意しながら登ろう。
次に現れた15m滝は階段状なので登るのは比較的容易だ。今回は全員フリーで登ったが、高さがあるので状況によってはロープを出した方が良いだろう。H田・W井の2人は左壁に取り付き、S木さんが下から見守りながら登った。F井さんは右壁を登ったが上部で行き詰まったので、右のブッシュに逃げるよう誘導した。次の3段8mナメ滝を越え、4mほどの滝を続けて2つ登ったところで昼食休憩とする。井戸沢は明るく開放的な渓相で、ミニ赤木沢のようだとの話になる。今日は曇り空で上の方はガスがかかっているが、晴れていればさぞかし気持ちの良い沢登りとなっただろう。休憩後に4m滝を越えると段差のあるナメが続き、1,390mで二俣となる。1:2で水量の多い右俣へと進み、傾斜のあるナメを登っていく。
1,430mで二俣があり1:4で水量の多い右俣へと進む。4m滝を登るとその上も傾斜のあるナメが続く。さらに4m滝を登ると沢は源頭の雰囲気になってくる。細い流れのトイ状8m滝を登り、ぐいぐいと高度を上げるようになると呼吸が荒くなる。伏流ぎみとなりやがて水が涸れ、左岸からの枝沢を2本見送ると1,680mで最後の二俣だ。稜線は近いのでどちらでも良さそうだが、少しは山頂に近いだろう右俣へと進む。ガレを落石を起こさぬよう注意して登り、最後に背の低い笹が少しあった程度で登山道に出た。詰めでヤブ漕ぎがないのは嬉しい。全員登山道に集結したのを確認して山頂へ移動する。流石山の山頂で小休止とし沢装備を解いた。樹木がないのでガスってなければさぞかし眺めが良いだろう。
山頂から大峠へと登山道を下る。F井さんが遅れているので聞くと膝痛が出てしまったとのこと。以降ペースを落とす。大峠の十字交差から三斗小屋温泉方面へと下り、峠沢の登山道渡渉点から沢を下降する。楽に下れるだろうと思っていたが、岩が滑りやすくて意外に時間がかかる。自分は何度か転倒してしまったほどで、峠沢の下降に1時間半ほどもかかってしまった。膝痛のF井さんはより大変だっただろう。これも後から分かったのだが、峠沢を渡渉して三斗小屋温泉方向に少し進むと分岐があり、右へ折れると地形図にはない会津中街道の細い道で沢沿いに歩くことができたようだ。それならば1時間弱で下れたようで、膝痛のF井さんも沢下降よりは楽だったはず。記録斜め読みの自分の頭には入っておらず反省しきりである。後は林道を辿り、途中でマスタケを採ったりしながら駐車地点まで戻る。板室温泉の健康のゆグリーングリーン(500円)で汗を流し帰途についた。
井戸沢は評判通りの明るく開放的で遡行しやすい沢だった。晴れた日に遡行すればより好印象の沢登りとなる。初級者も楽しく登れる沢なので、今回のようなトレーニング沢として遡行しても良いだろう。行き帰りの林道歩きと下山路が少々長いことが難点と言えば難点か。(K.Ku) |
ルート |
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この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、 第353号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。 |
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