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No.5652 |
内唐府沢 |
船形連峰 鳴瀬川支流 |
山行種別 |
無雪期沢登り |
うちからふざわ |
地形図 |
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山行期間 |
2017年9月24日(日) |
コースタイム |
前森林道駐車地点(7:50,8:15)→入渓点・590m二俣(8:46)→440m二俣(10:00)→6m滝(11:05)→560m二俣(12:58)→700m右岸枝沢(14:00)→900mコル(14:54)→入渓点(16:16)→駐車地点(16:53)
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写真 |
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車を置いて林道を歩く |
右手の広場から踏み跡を下降する |
590m二俣が入渓地点 |
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すぐナメ滝がある |
左俣は単調な下降が続く |
440m二俣 |
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右俣を登る |
両岸が立ってくる |
左岸から落ちる枝沢の滝 |
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沢床はグリーンタフ(緑色凝灰岩) |
水流が美しい |
ゴルジュのヘツリは右岸が正解 |
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磨かれた左岸のスラブ |
6m滝 |
ロープはここだけ |
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4段の小滝と釜 |
沢が開けてナメになる |
第2ゴルジュ帯に入る |
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凝灰岩はフリクションが効く |
もっとも狭い箇所 |
4m滝 |
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3m滝 |
3m滝にはトラロープ |
8m滝 |
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4m滝 |
5m滝 |
625m左岸の大木 |
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700m右岸枝沢 |
900mコル |
枝沢を下降する |
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ナラタケ(オリミキ) |
沢から林道へ登る |
駐車地点に到着 |
行動記録 |
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船形連峰の宮城・山形県境尾根に源を発する沢のひとつに内唐府沢がある。渓流釣りでは知られた沢のようだが、沢登りの記録は少ない。しかも、そのほとんどが関東圏のパーティーなのは、山岳雑誌「岳人」の1997年8月号に紹介(仙台YMCA山岳会の記録)されたということもあるのだろう。記録を見ると大滝はないようだが、船形山地のブナ林を流れる渓相には期待できそうだ。このところ厳しい沢登りに気が進まなくなった今の自分にも合っていそうだ。地元組で3人パーティーを編成し向かうことにした。
白石を午前5時過ぎに出発。途中でH田を乗せて高速で移動し、鳴瀬川の漆沢ダムに向かう。漆沢ダムからは未舗装の左岸林道を進み、「いわなの里湖畔公園」からさらに鳴瀬川沿いに3キロ弱進むとY字路になる。ここまでは普通車でも問題ない。右の広いほうの前森林道を登っていくのだが道は徐々に悪くなる。普通車にはちょっと厳しい道になるので、運転に自信が無い場合は途中に停めるしかない。車高のある4躯、特に軽ならベストである。地形図では途中で消えている道だが、実際はずっと先まで続いている。道幅が狭くなるので今日の車(デリカ)では運転に気を遣う。すれ違える箇所はほとんどない。Y字路から6キロほどで分岐に突き当たる。右が内唐府沢に向かう道だが、ワイヤーが張られ進入禁止となっている。ここからは車を置いて歩くことになる。左も様子を見るとすぐロープで通行止めになり、手前に釣り師らしき軽4駆が停めてあった。沢支度をするとワイヤーを跨いで先に進む。林道にはタイヤの跡があり、関係者は鍵を開けて入っているようだ。歩くこと30分ほどで右手が広場になる。その奥の踏み跡から斜面を下って内唐府沢左俣に降りる。枝沢との590m二俣のすぐ下で、ここから左俣を下降していく。下り始めてすぐに4mほどのナメ滝が2つ続いたが、それ以降は小さな落ち込みがある程度で穏やかな流れが続く。ヌメっている石もあり何度かスリップした。魚影があるなと思っていたら釣り師の2人組と遭遇。入渓地点を聞かれたので答えたが、入渓地点の上流に行って釣る考えなのだろう。単調な沢歩きにやや飽きてきた頃に440m二俣で右俣に出合う。
二俣を折り返し今度は右俣を遡上する。右俣の方が沢幅があり、渓相はさらに穏やかになり平瀬が続く。時折淵がある程度の癒し系の沢である。二俣から30分も歩いただろうか、やっと左岸枝沢の滝が見えてきた。中ほどでひょんぐりになり水を飛ばしている。両岸の側壁が立ってきてV字になってくるが、流れはあくまでも穏やかだ。所々の瀞はゆったり流れ、ふと見た足元のナメ岩は緑色をしている。グリーンタフ(緑色凝灰岩)だ。両岸が迫る狭いゴルジュは右岸をへつり、正面に左岸のスラブ壁を見ながら左曲すると6m滝が現れる。両岸は立っていて高巻きもできないので登るしかない。右壁からフリクションのある岩なので、滝身の左を細かいホールドを拾って直登した。結局ロープを出したのはこの滝だけだった。
6m滝のすぐ上には釜のある小滝が4段で、右岸をへつり最後の段の左壁を攀じる。沢はいったん開けてナメとなったあと第2ゴルジュ帯に突入する。側壁が磨かれたV字谷でへつる箇所が多いが、フリクションの効く岩を選びながら楽しく遡行できる。水がキラキラと輝いて美しい。4m滝に3m滝と越えていくとしばらく平瀬となる。ゴツゴツ岩の3m滝を越えると560mで二俣。左が本流で水量比は3:1ほどだ。計画ではここで10時45分の予定だが既に2時間遅れ。後半は急がなければならない。
釜の大きな3m滝が現れ右岸から越えたが、そこには釣り師のものだろうトラロープが下がっていた。次の8m滝は水流左を直登する。続く4m滝と5m滝は右岸から越えたが、どちらにもトラロープがあり釣り師の執念を感じる。625mで左岸に大木(カツラ?)が現れた。近くにブルーシートのデポあり。沢には苔むした石が多くなり、源流部の渓相になってくる。そろそろ右岸尾根を乗っ越すポイントが気になってくる。700mを過ぎたところで右岸からの枝沢A。ここかと思ったがすぐ上流にも枝沢Bがあり、やや水量が多い枝沢Bを登ることにする。目指すは地形図の967mと851m標高点の間にあるコルだが、登っていくと方向が右へと逸れていく。これは違うだろうと左にトラバースして枝沢Aに移った。枝沢Aは細いながらちょっと厄介な小滝があり、お助け紐やショルダーを使って登った。最初から尾根を登ってもよかったかもしれない。沢が消えコルかと思いきやどうも違うので、GPSの助けを借りてコルに到達。
分かりにくいコルから反対側へ急斜面を下降し、沢筋に入るとほどなく水流が現れてくる。小滝程度はあるがロープを使うようなところは出てこない。キノコはナラタケ、ブナハリタケ、ナメコが採れたが、先を急ぐので食べる分を採ってあとは無視する。770mで左俣に出合うと先が見えたのでひと安心。左俣は滝もなく下降向きの沢と言える。今朝の入渓ポイントに到着すると、沢から上がり林道を辿って駐車地点まで戻った。計画より約1時間遅れの16時53分だが、太陽は早くも県境尾根の向こう隠れようとしている。車を走らせ漆沢ダムを過ぎたころには辺りは暗くなってきた。秋の日はつるべ落としなのだ。帰途はやくらい薬師の湯(500円)で汗を流し高速に乗った。
今回のルートでの日帰りはやや忙しいと言える。スタートを早くすれば良いのだが、現地までの移動時間を考えると前夜入りが望ましい。1泊2日の遡行記録が多いこともうなづける。関東圏からのパーティーがほとんどということもあるのだが。問題は林道をすんなり通行できるかどうかだ。こればかりは現地に来ないと分からない。下のY字路から前森林道を歩くことになると、沢の入渓点まで2時間半ほどかかると思われる。地形図で見る限りでは入渓点まで進まずに、林道を途中から430m二俣に直接下降することも考えられる。ある程度の時間短縮はできるだろう。こう考えるとこの沢の核心は林道の状況なのかもしれない。(K.Ku) |
ルート |
往路:赤 復路:青 |
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この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平29情複、 第353号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。 |
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