Fukushima toukoukai Home page
No5901
悪沢〜大倉沢
二口山塊    碁石川流域太郎川支流
山行種別    無雪期沢登り
わるえさわ〜おおくらさわ 地形図

トップ沢登り>悪沢(遡行)〜大倉沢(下降)

山行期間 2018年8月19日(日)
コースタイム
大倉沢出合(9:40)→悪沢出合(10:17)悪沢遡行→8m滝(11:27)→720m二俣(11:43)→780m二俣(12:11)→10m滝(12:18,12:35)→850m二俣(12:52)→尾根(13:27)大倉沢下降→5m滝(14:52)→二俣下(15:57)→12m滝(16:04)→10m滝(16:27)→大倉沢出合(16:32)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
太郎川の滝下で大倉沢も滝で落ちる出合 太郎川の6mナメ滝 すぐ上の5m滝
太郎川は穏やかな流れ 右から悪沢が出合う 最初はナメが続く
特徴的なハング岩 5mナメ滝 8m滝は左壁を登る
ナメの小滝が続く 10m滝 源頭を詰め上げる
尾根に出たが眺めはない 大倉沢を下降する 中流部の穏やかな流れ
滝記号の辺りはナメだった 滝が現れた(5mナメ滝) 10m斜滝を懸垂下降
8m滝も懸垂下降 15m滝 下流から見ると右岸手前から巻けそうだ
右俣の滝(30m以上か) 12m滝 出合の10m滝

行動記録
 沢登りの場所探しで登山大系を時々見るのだが、二口山塊の南に位置する神室岳(仙台神室)に源を発する太郎川流域についての記載がある。遡行対象となるのは本流と悪沢、大倉沢の3本とされているが、簡単な紹介文で大倉沢に至ってはわずか3行である。いずれの沢も未遡行なので、難しくなさそうな大倉沢を下降に使い、悪沢を遡行する周回ルートで訪れてみることにした。
 国道457号から太郎川左岸沿いの道に入っていくと、集落を過ぎてほどなく未舗装の林道となる。入渓点まではこの林道を10キロも入っていかなければならない。林道の走行に支障はなく3つ目の橋を渡った先に駐車する。準備をして急斜面を太郎川へ降りると早速滝が現れた。太郎川に大倉沢が出合うのだがどちらも滝である。太郎川の6mナメ滝の水流右を登ると、すぐ上にも5m滝があり越えると平瀬になる。この箇所なら林道から容易に降りられるようだ。堰堤があり越えて進むと二俣で、右から悪沢が出合う。水量は2:1というところか。悪沢はナメで始まる。大岩の5m滝を越えると右岸にテーブル状に大きくハングした岩がある。5mナメ滝はフリクションで登る。ここまでに2箇所で釣り師のものと思われるロープを見かける。
 やがて両岸が立ってきて8m滝が現れ、左壁に取り付き上部は小さく巻いた。720mの二俣を右へ進むと小滝が続く。ちょっと小難しい滝もあり、お助け紐を出したりしたがいずれも直登可能だ。滝で出合う780mの二俣は右俣へ進むと10m滝が現れる。左壁の草付きから容易に登ることができる。850mの二俣も右俣へ進む。左俣は三角点(点名:悪沢)のある相ノ峰というピークに突き上げるが、かなり急峻な登りとなるだろう。源頭を詰めていくが、滝もなく集塊岩の小道という感じで登りやすい。やがて斜面に水が消え10分ほどヤブを漕ぐと尾根に出た。
 尾根には以前は三神林道という道があったらしいが、今はヤブの中に消えてしまって跡形もない。東へヤブを漕ぎながら南へ下る小尾根へと方向を変え、頃合いと思われるところから左手の斜面を下り始める。ほどなく水が現れ大倉沢の源頭となる。最大4m程度の小滝がいくつか出てくるが、潅木も掴むなどして下降していく。斜度が緩むと森の中をゆったりと流れ下るようになる。右岸には杉の植林地も見えてくると沢はナメ床となった。地形図ではこの辺りに滝記号があり、無いではないかと思いながら進むとやはり滝が現れた。5mのナメ滝で右から潅木伝いに降りる。降りると下の10m斜滝は懸垂下降する。
 左へ屈曲してナメの先でまた滝で落ちているので、ナメの途中からロープを伸ばして滝の様子をうかがうと、釜が見えたがすぐまた滝で落ちているようだ。ロープは届くようなので左岸の木にシュリンゲを掛けて懸垂下降する。滝の高さは8mくらいだった。次の滝は高さがあるようだ。左手にも枝沢の高さのある滝が見えている。右岸の灌木にシュリンゲを掛けて懸垂下降したが、50mロープで余裕で届いた。高さは15mというところか。下から見れば右岸から巻くラインが見えるが、下降で見つけるのは難しい。ここが二俣であり右俣も高さのある滝で落ちている。右俣の滝は30m以上ありそうだが水流は細い。後で確認するとこの出合左俣の滝は大倉沢大滝と呼ばれ、高さは40mとされているようだ。随分と高さを盛っているような気もするが、一番上の滝から連瀑としてとらえればそのくらいにはなるだろう。この一連の滝下降に1時間ほどを要した。下降を再開しミニゴルジュを過ぎるとやがてまた滝になる。12m滝で少し寝ているがやはり懸垂下降となる。下から見れば直登できそうだが下降するとなるとかなり難しく危険である。出合の10m滝は左壁を下降したが、ふと見ると左手にロープが下がっていた。これも釣り師のものだろう。太郎川に出ると周回コースの完了である。
 悪沢はその名前にしては悪場は無かったという印象で、沢のグレードとしては1級上くらいだろう。初心者を連れて行く場合は要所でお助けやロープを出せば問題なく遡行できる。大倉沢は2級くらいの沢になるが、登山大系の記述とはかなり違う印象だった。登山大系には「核心部は出合から二俣まで」とあり二俣の滝には触れられておらず、ちょっと不思議な感じがする。やはり山も沢も実際に行ってみなければ分からないとの思いをあらたにした。(熊)

.ルート図 登り=赤 下り=青
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 平30情複、 第400号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

遡行図

 トップ



Copyright(C) 2018 福島登高会 All Rights Reserved.