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No6306
大若沢
蔵王 白石川流域横川支流
山行種別    無雪期沢登り
おおわかさわ 地形図

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山行期間 2020年5月24日(日)
コースタイム
大若沢橋(11:57)→9m滝(12:27)→登山道(14:53)→不忘山頂(15:03)→硯石登山口(16:51)→大若沢橋(17:40)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
大若沢橋より入渓 清々しい渓流 やがて伏流となる
高さ9mと見た涸れ滝 左壁から登れそうだが止めて高巻くことにした 年月をかけて削られたのであろう岩床
雪渓が現れる 涸れ滝といえるかどうか高さは5m 上はまたナメ岩
雪渓とガレ場が続く 雪渓とタラノメ 僅かに流れのある8m滝
滝のようだが雪渓で半分埋まっている ゴルジュ状地形に突っ込む 水流があれば滝だろう
振り返ると結構高さがある 穴から這い出てきた感じだ 山頂が近づく
稜線の登山道に出た 南屏風岳の残雪もかなり減った ミネザクラ
シロヤシオツツジ ユキザサ 硯石登山口

行動記録
 南蔵王縦走路の南端になる硯石登山口には7~8台の車があった。このところ続いていた雨と低温だがこの日曜日は晴れて平年並みとなった。新型コロナの緊急事態宣言も解除になったので待ちわびていた登山者が登りに来たのだろう。それらの車を横目に林道を奥へと進む。
 登山口から約4キロで大若橋を渡り左の広場に車を止めた。横川支流の大若沢は不忘山南西面の沢である。不忘山や南屛風岳の南面から西面の沢はいずれも途中から伏流となり上流は涸れ沢となる。大若沢もその中の1本である。流れが乏しいことからか沢登りの記録も僅かしか見当たらない。大若沢橋からは簡単に入渓できる。目に染みるような青葉と清々しい渓流はいつ来てもいいものだ。ところが遡行を開始して15分もたたずに水流は伏流となりほぼ消えてしまう。その後は涸れ沢歩きとなり何とも味気ない。やがて涸れ滝に突き当たる。高さは9mと見たが堆積した石があるので本当はもっと高さがあるのかもしれない。直登は無理なので左壁から巻こうと思い少し登ってみたが悪い。単独でもあり無理は出来ないので少し戻って右岸から高巻く。滝の上流で沢に戻っても涸れ沢は変わらない。ふと見ると真新しい熊の糞があった。雪で削られた滑らかな岩床が露出している。
 登っていくと徐々に崩壊斜面と雪渓が増えてくる。ともすれば雪渓の薄くなった部分を踏み抜いてしまいそうだ。崩れて堆積したばかりの岩は不安定であり、手をかける時は慎重にしなければならない。数100キロもある岩がこちら側にぐらりと倒れて来てはかなわない。それでもこういった場面は久しぶりであり、普通に登山道を歩くのとは違った緊張感も心地よい。やがて斜面はザレ地となり植物が少なくなってくる。不忘山の稜線も見えてきた。雪渓が切れると僅かに水流があることに気づき沢水で乾いた喉を潤す。沢が左に曲がるとその先に深く切れ込んだゴルジュ地形が見えてきた。左岸にエスケープすることも考えながら近づいてみる。特に右岸はそそり立った脆そうな岩壁だ。落石の懸念もあるので足早に登っていく。前方は高さ20mほどの壁のような急傾斜となり、水流があれば滝となるであろう地形である。単独でもあり少し迷ったが近づいて見るとそれほどでもない。難なくフリーで登ると地面の穴からひよっこり顔を出したがごとく周囲に視界が広がる。もう右手には不忘山頂も近い。
 灌木とザレ場の急斜面を登り稜線の鞍部に到着する。左前方にはすっかり残雪が少なくなった南屏風岳の東斜面だ。6月上旬になればハクサンイチゲなどの花街道となる尾根道を辿り山頂を踏む。ぐるっと周囲の山々を眺めるとすぐ硯石登山口へと下山する。途中でコシアブラを採ったりシロヤシオツツジを撮ったりと20分のタイムロス。硯石登山口の車は1台のみになっていた。さらに林道で大若沢橋まで戻ったが4キロの林道歩きは長く感じた。大若沢はあえて遡行するような沢ではないと思うが、南蔵王そして不忘山の知られざる一面を見られることに価値があるのだと言えよう。何十回も不忘山に登っている自分にとっても大若沢はそれなりに新鮮だったのだ。(熊)

.ルート図 往路=赤 復路=青
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 令元情複、 第435号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

トラック 登り=赤 下り=青

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