近場の沢登りということで吾妻の不動沢へ。高湯温泉から不動滝までなら半日遡行が可能で、暑い日の水遊びには手ごろである。しかし、それでは沢登りとしてもメンバー的にもちょっと物足りない。不動滝から上流は自分も含めてメンバー全員遡行したことが無いので、良い機会と思い磐梯吾妻スカイラインの不動橋までの計画とした。
高湯温泉駐車場からスタートし、花月グランドホテルの前を通らせてもらって斜面を下降する。急斜面を10分ほど下降すると不動沢だ。天気は晴れ間の出る予報とは違いガスがかかり気温も低めである。あまり水遊びという感じではないが仕方ない。ほどなく7m滝が現れる。水量が多めだが千○さんがあっさり水流左からクリアする。続いて鈴○さんがじわじわと渋い登りでクリア。後の2人はロープで確保してもらった。次は深い釜の10m滝で自分が泳いで水流左に取り付く。もろに水を被るのでちょっと手間取ったが何とか登った。次の千○さんはあっさり登ってきた。後の2人にはお助けロープを投げた。なお、釜から身体を上げるのに時間がかかると、低体温になる可能性もあるので注意したい。
その後も大きな滝は出てこないが、水量が多いので平水時のようには登れず遡行難度はアップしている。特に滑らかな側壁のヘツリには緊張感が増した。このヘツリでも千○さんは難なく通過している(ように見える)。不動滝には10時過ぎに着いてしまった。休憩後高巻きにかかる。不動滝手前左岸の支沢を右に見て小尾根を登り、小さく巻いて沢に降りた(所要時間15分)。さてここからは全員初遡行となる。歩き出して5分ほどで5m滝だがこれは登れそうにない。その上にはさらに小滝と砂防ダムがある。右岸から全部一緒に巻いて砂防ダム脇から沢に戻った。砂防ダムは石積みで高さ10m程度だがよくこの場所で積み上げたものだと思う。
さらに20分ほどで15m滝が現れる。直瀑よりはやや寝ている。眺めていた千○さんが岩が順層なので登れるという。ん〜付き合いましょうということで自分がビレイすると水流左から直登していった。次は自分だがフォローとはいえ、高さと水流の勢いがプレッシャーとなり緊張。登ってみれば順層の階段状ともいえる比較的登りやすい滝だった。後の2人は右岸を高巻いて既に上にいた。短いゴルジュですぐ熊滝だ。高さは20mほどだろうがガスがかかり威圧感がある。この滝は面白いことにすぐ上に砂防ダムが乗っている。左岸から小さく巻いてダムの下にいったん出る。ダムはコンクリートで高さ10mくらいある。また左岸から小さく巻いて沢に戻り昼食休憩とする。天気は相変わらずで気温も上がらず汗もかかない。
遡行再開10分ほどでまた砂防ダムだ。石積だがこれまでのダムより大きく高さ12mくらいか。きっちりと積まれた石を見れば丁寧な仕事であることが分かる。このダムを左岸から巻き始めたところ落石が発生した。2m大の岩もあったが事なきを得た。微妙なバランスで斜面にとどまっていた岩を我々が踏んでしまったようだ。自然の中ではこんなアクシデントに遭遇することもある。沢に戻ると不動橋が見えてくる。このあたりはつばくろ谷とも呼ばれている深い谷で、沢から橋までの高さは80m以上あるらしい。橋下を通過してすぐ15m滝で沢は左に曲がる。今回はここで遡行終了である。少し手前から灌木を繋いで斜面を登り旧道を利用した展望所に出た。下山は登山道で起点へと戻った。(熊)
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