平日だが休みが取れたので吾妻山の大滝沢に大○さんと行くことになった。時間の制約もあり計画ではヒョングリ滝から登山道に抜けるつもりだ。当日は雨の予報だったが、現地は小雨で前川との出合もさほど増水していないので予定通り入渓することにした。 まず出合から入渓すると最初にF1が見えてくる。今回は左岸を登ることにして、淵をへつって左岸に取り付いた。そこから水線の右側を直登する。このF1は大滝沢の顔のような滝で、パッと見ると大きい滝だが右岸、左岸両方から登ることができ、この滝を見ると「大滝沢に来た」という実感がわいてくる。 ナメは鮮やかなオレンジイエローで、これを見るだけでもここを訪れる価値があると思う。しばらく進むと大滝沢最大の大滝が現れる。大滝の大きさは圧巻で、その天をつくような高さに圧倒される。近年山形の西川山岳会の飯沢氏(K2サミッター)と大村氏がこの大滝を登攀したと聞いているが、スゴイの一言である。この大滝は少し沢を戻り、右岸の稜線へ続く登山道から巻くのが一番安全である。以前一般の方の滑落事故があってから、会が行っている講習会などでは受講生の安全を考え登山道を使うようにしている。しかしパーティの構成などから安全と判断できればすぐ脇の右岸の巻き道を使う場合もある。今回はメンバーからして問題無いので大滝右岸の巻きを登ってみることにした。取付も足跡がしっかりついていて迷うことはない。この巻き道を上部まで登ると、スラブのトラバースになる。。スラブといっても以前聞いていた感じより土砂がたまっていて、一見するとしっかり道ができていて問題がないように見える。だがスラブの上に土砂が乗っているだけなので充分注意したい。ここは一応確保してトラバースした。トラバースの最中に下部を見ると勾配もあり障害物がない滑り台のようになっていて気分が良いものではない。このようなトラバースが2箇所あり、現在どちらも同じように土砂がたまってトラバースしやすくなっている。しかし大人数の場合や経験が浅い人などにはお勧めできない。 巻き道は大滝の落口の少し上に出る。滝の上部からの景色をしばらく堪能してから先へと進む。次の滝を越えると、美しいナメは徐々に減っていってゴーロが出てくようになる。そのゴーロを進んでいくと左岸に特徴のあるオレンジ色のホラガイ沢の出合が見えてくる。ホラガイ沢出合で沢は左にカーブしナメが続くようになる。大滝沢は滝が多いが、大滝以外の滝はほとんどが登攀が可能で、巻きもしっかりしているところが多い。ナメになってからしばらく歩くと、切り立っていた側壁の景色から川の脇に緑が見えてくるようになる 幅広の3m滝をクリアすると、また側壁が立ってきてナメになる。10時31分、ヒョングリの滝に到着した。予定ではここで戻る予定だったが、計画よりかなり早く、時間に余裕があるので少し進んで桶木沢の出合から登山道に戻ることにした。ヒョングリ滝は右岸を小さく巻くことが多いのだが、今回は滝の流心左の中間に小さな釜があるが、そこの右側中央のリッジを直登した。 10時27分、左が直瀑、右が階段状になっている滝が出てくる。大きく感じるが高さは8m程だろうか、左岸の階段状を簡単に登る事ができる。その後の滝も苦労なく登ることができる。沢はナメからゴーロに変わっていき、11時18分に桶木沢出合に到着した。桶木沢に入り続く小滝を直登して登山道との出合で休憩を入れた。 休憩を終え登山道を下る。下りはじめの登山道は顔近くまである高さのササに覆われている。歩く人も少なく、刈払いが全くされていないようなところもあるので、場所によっては登山道の段差が見えないので注意したい。またササ藪というと熊にも注意が必要だ。足並みも揃っていたので予定したよりも早く戻ることができ、滑川温泉に入るだけの時間も取れた。滑川温泉は連休明けの平日にもかかわらず、いつもより客が多いように感じた。久しぶりに滑川温泉で汗を流し帰路についた。(秀)
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