前日は1日中雨に降られたが、今日は梅雨が明けたように素晴らしい好天に恵まれる。車を滝根沢橋の近くに停め、身支度をして遡行を開始する。出だしから小滝が連続し高度を稼いでゆく。難しい滝も無く、楽しみながら登っていく。右に大きな岩壁をみながら2mほどのチョックストーンの滝を越える。少しゆくと正面に大きな滝が姿を現す。これを越えるのかと思ったら、こちらは支沢にかかる滝だった。下降の際に確認すると上部は傾斜が緩く落差40mほどあった。本流は左で8m(F6)ほどの斜瀑がかかっている。
左右どちらの草付きも登れそうだが、沢の上部が右にカーブし滝が連続しているようなので右に取り付く。立木にたどり着くまでの足場が悪い。上部をトラバースして沢に降り立つ。ナメの斜瀑の右岸を進み、次の4mのF7はトップは抜けたが、滑りやすいのと右岸にしっかりした捲き道が付いているのでセカンドからは捲き道を利用させてもらう。下降点には虎ロープまで付いている。どうやら核心部はここまでのようだ。この後は小さな滝が出てくるだけで二俣になる。沢も緩やかになり稜線が確認できる。今日は下降して戻る予定なので、ここで遡行を終了する。
下りは慎重に捲き道を利用して降る。F6は左岸の尾根から立木を利用して懸垂2回で右沢との出合に降り立つ。2時間を要して出発点の滝根沢橋に戻る。
塩ノ岐川流域には記するべき沢もないと聞いていたが、思ったより面白い沢に巡り会えた。河原歩きを覚悟していただけに「あたり」を引いたようだ。私たちの夏合宿は初心者も含めて沢の地域研究ができるようにと企画している。初めての沢に入るのだから、何が出てくるかわからない。それだけにリーダーの判断力やメンバーに対する配慮が当然要求される。それが面白いのかも知れない。(I.I)
|