白布温泉から西吾妻スカイバレーに入ると雨足が強くなってきた。沢に入ろうかどうか迷いながらもスカイバレー開通記念碑の建つ展望台までくる。洗納沢の出合に降りるには、ここから踏跡をたどって大樽川に降りればよいのだが、土砂降りの雨で気勢をそがれてしまう。判断に迷いながらも、竜崎沢を下降することを考え、芳沢に車を戻すことにした。このところ、天気図では大した荒れるようでもないのに山間部にくると雨になる。先週も雨で中止にしてしまったので今回は小降りになるのを待って登ることにした。
雨の中、身支度をして芳沢から大樽川に降りる。大樽川まで砂防ダム工事のための作業道がついているので5分ほどで大樽川本流に降りることができた。以前登ったときには気にならなかった砂防ダムが、今は芳沢を境に、上部に5つ、下部に2つある。上部の4つの砂防ダムの脇には歩道があるので問題ないが、下部の砂防ダムと上部の5つ目(現在工事中)の砂防ダムは越えるのに苦労する。上部の工事中の砂防ダムは作業している方のご厚意で工事用のハシゴを使わせてもらった。
大樽川本流は雨のため流れは速い。注意しながら30分ほどで洗納沢出合に着く。入ってすぐに4m2段の滝を越えると、程なく黒滝となる。黒滝は3つの滝からなっている。最初が25m、次が15mの斜瀑、3段目が25m、合計で落差65mになる。最初の滝は左岸のブッシュを強引に登る。切れ落ちているので充分注意すること。次は緩やかな斜瀑、続いて25mの滝は左岸の踏跡を見つけ高度を稼ぎ、多少の薮こぎで沢に降り立つ。
沢に戻ると5mほどの滝があり、その上は50mほどナメが続く。ここまでくると沢はなだらかになってくる。沢は二俣に分かれるが、しばらく進むと合わさってしまう。黒滝から40分ほども歩いたろうか、本当の二俣に着く。3:2で左俣の方が水量が多い。左に入る。10分も経たないうちに、また、沢は分かれる。左沢の方がいくらか水量が多い。竜崎沢を下降するために左沢に入る。沢も源頭、12時28分に薮こぎを開始し斜面をトラバースする。竜崎沢まで距離にして300mほど、10分ほど進んでから下降に移る。
判断が甘かった。あと2〜3分進めば竜崎沢に出たものを、誤って洗納沢の枝沢に入り込み、登ってきた沢に戻されてしまった。しかたなく下降してきた枝沢を登り返し、竜崎沢に向かった。(I.I)
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