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Fukushimatoukoukai HomePage
No.3754
葛根田川 八幡平
山行種別 無雪期沢登り
かっこんだがわ 地形図 松川温泉、篠崎、秋田駒ヶ岳、曲崎山


■山行期間 2005年8月20日〜21日
■コースタイム 8月20日 滝ノ上温泉(5:55)→林道・葛根田川(6:38)→明通沢出合(7:06,7:15)→大石沢出合(8:26,8:38)→沼ノ沢出合(9:02)→中ノ又沢出合(9:07)→滝ノ又沢出合(10:25,10:42)→北ノ又沢左俣(10:52)→左沢分岐(11:35)→登山道(13:27)→八瀬森山荘(13:40)
8月21日 八瀬森山荘(5:47)→関東森(6:16)→1283m地点標識(7:05)→下降地点(7:15,7:30)→左沢出合(8:43)→明通沢本流出合(10:33)→コンクリート橋(12:05)→林道→滝ノ上温泉(14:00)
■写真
葛根田地熱発電所のパイプ 県道はここで終わり一般車の
乗り入れはできない
2つ目のゲート、この先は未舗装
路となり、やがて藪がかぶさる
林道のカーブのところから葛根
田川に降り立つ
大ベコ沢は、きれいなナメ滝で
合わさる
満面と水をたたえる葛根田川
お函では右岸から見事な滝で枝
沢が合わさる
本流の3mの滝、川幅もあるので
3mといえども立派な滝
トリアシショウマ 葛根田大滝は2段15m、左岸に
捲道がついている
北ノ俣沢左俣出合にかかる6m
の滝

 
左俣に入り緩やかな河原を過ぎ
ると河床はナメに変わる

 
20mの滝は右岸を小さく捲く。
踏跡がついている
2段8m滝は途中から左岸の草付
きを直登
大場谷地を通って八瀬森山荘へ 大場谷地のワレモコウ 二階建ての八瀬森山荘
ブログ:葛根田川 http://blog.goo.ne.jp/f_toukoukai/e/dc72454cdd2d4caa9a6dc9deebd35fb0

■行動記録
8月20日
 いずれ訪れてみたいと思っていた葛根田川だが、腰痛で足が思うように動かなくなってからは半分あきらめていた。今年の春に花を見に大深岳に登って葛根田川を思いだし行ってみることにした。
 前日に福島を発ち、雫石から滝ノ上温泉に入る。滝ノ上温泉には大きな駐車場もあり、車を駐めるには支障はない。また、対岸の三ッ石山登山口の手前左にはキャンプ場もあり、遅く行ってもテントを張ることができる。私たちはそれを知らなかったので登山口の所に車を駐めてテントを張って仮眠した。
 翌朝、朝食をとり6時ちっと前に歩き始める。車は、葛根田地熱発電所のゲートまでしか入れないので、滝ノ上温泉の駐車場に止めていくと良い。ゲートまで歩いても20分ほどで着く。ゲートの左を通り抜け、さらに舗装路を進む。葛根田川にかかる橋を渡っても地熱発電所のパイプは先まで続いている。松沢(松川)を渡り川沿いの舗装路を進むと2つ目のゲートが出てきて、地熱発電所の施設が終わりになる。ここからは未舗装の林道だ。
 林道が大きく右にカープするところから葛根田川に降りる。降りたところは広い河原になっていて、葛根田川の大きさを知る。遡行を開始、歩きやすいところを見つけながら、時々徒渉をしながら進む。増水時の徒渉は厳しそう。7時6分、明通沢(秋取沢)出合は河原で合わさる。次に出合うのは大ベコ沢(2万5千分の1地形図の698m地点)、左岸から末広がりの綺麗なナメ滝が合わさる。
 この先あたりから、深い淵などが出てきて沢の様相が変化する。中流の核心部「お函」と呼ばれているところだ。右岸には20mほどのナメ滝がかかっている。さすが葛根田川、スケールはあるし綺麗だし期待していた通りの沢だ。増水時を注意すれば、お函のゴルジュ帯も難なく通過できる。大石沢出合には8時26分到着、小休止を取る。明るい広い出合で、テン場もあって釣りをする人にとっては幕営適地のようだ。
 この先、沼ノ沢は10mの斜瀑で合わさり、中ノ又沢は出合奥に3つの滝が確認できた。大石沢出合で水量比は1対1、中ノ又沢の出合で水量比は1対1、葛根田川も徐々に水量が減ってくる。右に3段25mの滝で支沢を合わせると、いよいよ葛根田大滝が姿を現す。手前に小滝、それぞれに釜を持ち私たちを迎えてくれる。しばし見学し、写真に納め、左岸の踏跡を利用して捲く。次に正面に30mほどもある滝が見えてくる。でもこれは枝沢にかかる滝で、葛根田川は左に大きくカーブする。滝ノ又沢は水量比1対1で出合う。左岸に幕営跡があり、ここで泊まる人も多いようだ。でも増水時はちょっと不安かも。
 ここから沢は葛根田川から北又ノ沢になる。3mほどの滝を越えると沢は二俣に分かれる。私たちは八瀬森山荘に泊まる予定なので左俣に入る。水量は1対2で右俣の方が多い。確かに右俣は大白森の湿原を持ち、集水面積も2倍ある。
 左俣にかかる6mの滝を越え一気に高度を上げると、沢は平坦な河原歩きになる。2箇所の中州を過ぎると3対2で左沢を分ける。資料では右沢に20mの滝があるので、1168m地点と大場谷地の間に出られればベストかなと右沢に入る。右沢に入りナメが続くようになる。左右から枝沢を合わせ、50分ほど歩くと20mの滝に出合う。直登は無理なので右岸の捲きに取り付くとかすかな踏跡が付いていた。滝の上部もナメ、すぐに2段8mの滝が出てくる。2段目は左岸を直登し上部はいやらしい草付きを心もとないブッシュをつかんで上部に出る。灌木にテープが残置されていた。
 沢は源頭に近づいて水量も少なくなってきた。次の二俣は1対1に分かれるので左に入り、後は水量の多い沢を右に左に進んだ。結果、最後に5分ほどの藪漕ぎで、1168m地点の登山道に出た。登山道には目印の赤布がつけてあった。大場谷地に直接でるのであれば最後の2段8mを越えたら左、左とルートを取ったほうが良いと思う。
 登山道を10分ちょっと歩いて13時40分に八瀬森山荘に着いた。小屋の手前の大場谷地には小川が流れ、水の補給は必要なかった。(I.I)

葛根田川支流・明通沢(下降)

写真
出発前に八瀬森山荘で記念撮
大場谷地湿原 関東森の山頂
1283m地点の標識 最初の4m滝は右岸捲き

 
左沢に出合うと、次に4mの滝が
出てくるので、ブッシュをつかん
で左岸を捲く

 
4m滝は右岸を捲いて降りる
9m滝はアップザイレンで降りる
15m滝は左岸からアップザイレ
ンで降りる
明通沢本流では、天気も良いの
で楽しんで泳ぎも出る
コンクリート橋で沢の下降を終
了し林道を歩いて滝ノ上温泉へ
戻る
ブログ:葛根田川支流明通沢 http://blog.goo.ne.jp/f_toukoukai/e/c93b11cb2faae58195ebc70c4dcfad9c
■行動記録
8月21日
 昨日に続き今日も天気がよい。6時前に八瀬森山荘を出発し明通沢を下降することにする。関東森には6時16分到着、1283m地点には7時05分に着く。1283m地点から少し行って、下降点を捜す。10分ほど藪漕ぎして水のない源頭に降り立つ、多少藪が苦になるが、すぐに水が出てくる。小沢が合わさったところで水を補給する。しばらく降って行くと4mの滝が出てくる。右岸を小さく捲く。
 8時50分、左からの沢に合わさる。水量比は1対3、自分たちの沢が枝沢で合わさった沢は明通沢左支沢である。沢床はナメ、水量も一気に増える。ここから滝とナメの連続だ。9mの滝をアップザイレンで降り、4m滝は右岸を小さく捲く。次に15mの滝が出てくる。左岸を捲けるかなと踏跡をたどると切れ落ちているので立木にスリンゲを巻き付けアップザイレンする。足場はボロボロで落石に注意する。次の4m滝は左岸をブッシュをつかみながら降りる。核心部はここまで、10分ほど下降すると明通沢本流と出合う。ここからは様相は一変し河原歩きになる。途中、天気も良いので泳ぎも交えて楽しみながら下降する。林道のコンクリート橋には12時05分到着。少しでも早く帰路につこうと、沢から上がり林道を地熱発電所へ向かう。林道は藪がかぶさっているが、歩くに支障はない。のんびり昼食をとったり、おみやげに水を補給したりと時間を費やし2時間ほどかけて滝ノ上温泉に戻った。(I.I)

■遡行図


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