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Fukushimatoukoukai HomePage
No.4003
黒檜沢 伊南川支流
山行種別 無雪期沢登り
くろびさわ 地形図 内川、檜枝岐


■山行期間 2007年7月8日
■コースタイム 7月7日 福島(20:20)=三岩岳登山口(23:45)幕営
7月8日 三岩岳登山口・入渓((5:50)→登山道徒渉点(7:00,7:15)→最初の二俣 (7:57)→源頭(11:25)→登山道(11:32,11:55))→避難小屋(12:00)→三岩岳山頂(12:30,13:00)→登山口(15:27)
■写真
入渓地点 F1は右岸を小さく巻く 5mのF2に取り付く
狭いゴルジュに突入 滝が連なる 10m滝は右岸を高巻く

 
さながらブナの墓場

 
5mS字の滝
8mの滝
スノーブリッジをくぐる 長い雪渓歩き 一群のキヌガサソウ

■行動記録
天候 晴れのち曇り
 前夜に三岩岳登山口に移動。小豆温泉スノーシェッドの脇にある広いスペースにテントを張る。リーダーのMさん、ゴールデンウィーク以来の山行となるTさん、相馬の盟友Aさん、そして私の4人が揃うのは久しぶりで、大宴会といきたいところだが、早い起床を考え、晩酌もそこそこに大人しく就寝した。
 予定通り4時30分に起き出す。まだ寝ぼけ眼で食欲がわかないでいると、仕事の関係でいつも朝が早いAさんだけ平気な様子だ。身支度終え、元気なAさんを先頭に出発。スノーシェッドの切れ目に架かる橋から入渓する。不安定な木材と梯子を伝って右岸を降りる。誰が架けてくれたのかわからないがありがたいかぎり。
 降り立った黒檜沢はゴルジュ気味で薄暗い。水量も多いため、いきなり険悪な雰囲気だ。流れが左側に向きを転じるところに3mのF1。右岸を巻く(途中大きな浮石があった)。続く5mの滝は釜をへつってから左側を直登する。両岸がぐっと狭まり本格的なゴルジュの様相。出口の5m滝は右側をやや巻き気味に登る。少し広くなったかと思うと再びゴルジュ。3m滝を直登すると、出口に10mの大きな滝。これは登れないので、少し手前から右岸を巻く。上を走っている登山道に出ることができ、その先すぐに沢と登山道とが交わる。小休止、ここまでで約1時間。
 遡行再開。やたらと沢の中にブナの倒木が多くなる。登山道を作るときに伐採したものだとか。3mの次にくの字に折れ曲がる8mの滝。ここにも木が倒れ掛かっていて、見栄えを悪くしている。右側を直登する。この辺りはしばらく小さい滝が続いておもしろい。
 左から枝沢が入るころには下部ゴルジュ帯は終わり、平凡なゴーロになる。やがて水量比3対1の二俣。左俣に進路をとると、水に少しにごりが入っている。さきほどから視界が開けたときに前上方に見えていた長い雪渓の状態が気にかかる。水流が目に見えて少なくなってるわけではないので、鉄砲水はないだろう。先へ進むと1対2の二俣、8時15分、一本立てる。右俣を歩き出すと、久しぶりに滝が出てくる。左側を登る。さらに水が跳ね返ってS字に流れる5m滝。釜の中の倒木を伝って取り付き、右側を直登する。
 標高1200mにかかるあたりから雪渓が流れを覆う。下からちらちらと垣間見えていたものだろうから、かなり長くなりそうだ。上を歩くには脆そうなスノーブリッジがあり、15mくらいくぐり抜ける。続いて100mほど雪渓上を歩く。先端が細くなっているので側壁の泥付を巻き降りようとするが傾斜が強く非常に悪い。側壁と雪渓の隙間から降りて下をくぐるルートをMさんが発見し難なく処理できた。すぐの3m滝は落ち口がのっぺりとして手掛かりに乏しそうなのでロープを出す。右側の壁にホールドを求めながら、ここもリーダーのMさんが突破、後続を引き上げる。3mの易しい滝を越すと再び長い雪渓。途中で左から支流が合わさる。他の記録を見るとこの辺りはゴーロの滝があるようだがこの日はまだ雪の下。標高約1420mまでぐんぐんと高度を上げる。
 雪渓が終わり、沢は次第に斜度を増す。正面に岩峰が近づくと、2対1の二俣。左を行くとすぐの滝を越えた上でも分岐しているようだ。今回はMさんの読みで藪漕ぎが少なそうな右俣を選択。一気に水流は細くなる。4mトイ状の滝などを越えて上へ上へ。途中には一群のキヌガサソウが花開き、目を楽しませてくれた。11時25分源頭。北北西に進路を取り、藪に突入。身長より高い笹竹をかき分けると、わずか7分で登山道に出た。ねらいどおり避難小屋の少し下だった。池塘をもつ小さな湿原に架けられた木道で休む。標高2065mの山頂を往復してから下山した。
 中間より上は崩壊が激しかったが、豪雪地帯らしく滝や側壁が磨かれていて、下部のゴルジュを中心に手頃な登攀とへつりが楽しめる沢だった。また、今回は雪渓処理の練習にもなった。山頂も往復したため10時間近い行動となりさすがに疲れた。しかし、雪渓がなければ、沢の地形によっては逆にもう少し時間がかかったかもしれない。稜線まで詰めるなら足並みが揃っていたいところだ。(M.J.)

 
■遡行図


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