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No.4481
吾妻山・不動沢右俣 五色沼 標高1810m
山行種別 山スキー
あづまやま・ふどうさわまぎまた 地形図 土湯温泉、板谷、吾妻山

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山行期間 2011年2月13日(日)
コースタイム 高湯温泉・スカイライン除雪終了点(8:36)→スカイライン横断(9:32)→水飲場(9:41)→賽ノ河原(10:24)→山鳥山(10:42)→井戸溝(11:14)→慶応山荘分岐(11:32)→五色沼(12:36)→不動沢右俣上部(12:57)→慶応山荘(13:40,14:28)→慶応山荘分岐(14:36)→井戸溝(14:44)→山鳥山(14:54)→旧あづまスキー場トップ(15:00)→バニーハット(15:23)→高湯温泉・スカイライン除雪終了点(15:54)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
雪の降る中をスタート 夏道沿いにラッセルが続く 単独行者の方とラッセルを交代
山鳥山からはしばらく平坦になる 井戸溝はすっかり雪に埋まっていた 慶応吾妻山荘への分岐
大根森に出ると風が強い 五色沼の大岩を目指す先行者 家形山
一切経山と五色沼 慶応山荘めがけて滑り始める 福島市街が見えた
膝までの深雪で止まってしまう それでも急斜面では気持ちよく滑降 慶応吾妻山荘にて青年とともに
旧あづまスキー場でKさんの滑り テレマークのSさん スカイラインを歩いて駐車地点へ

行動記録
 Kさんが吾妻山の不動沢右俣に行く計画を立てていたので、パーティーに入れてもらうことにした。不動沢右俣は昨シーズンに2回登っている。今年は雪の量も多いだろうし昨日も降っているだろうから、ラッセルの状況によっては慶応山荘までになるかもしれないとKさんは考えていたようだ。
 高湯温泉からスカイラインの料金所を過ぎると、昨日降った雪がまだ除雪されていない。20センチ程度なので4躯の我々はそのまま除雪終了点へと向かう。除雪終了点には既に1台の車があったが、積もった雪からすると昨日あたり入山したようだ。除雪車が入った時に邪魔にならないようにギリギリまで路端仁寄せたらスタックしてしまった。大したスタックではないが、脱出に少々時間を食ってしまう。そんなわけで準備をして雪が少し降っている中をスタートしたのは8時36分だった。
 除雪終了点の雪山を越えるとすぐ右カーブになり、そこが登山口になる。昨年同時期に来たときは雪が少なくて所々地面が露出していたが、今年は積雪が豊富で始めからラッセルだ。Kさんの力強いラッセルでぐんぐん登っていく。途中で交代し、深い雪のラッセルを頑張って登っていくとほどなくスカイラインに出た。夏はにぎわうこの道も、今は一筋のスノーロードになり歩くのは獣か我々のような者だけか。
 スカイラインを横断して向かいの斜面に入ると、さらに雪が深くなり、スキーでもブーツがすっぽり埋まるほどになる。慶応山荘の大柿さんが緑のテープをべたうちしてくれているのでルートに不安はない。沢の水飲み場を通過し、ラッセルをSさんに交代してそのまま登っていくと後から声が聞こえる。単独の男性が1人追いついてきたのだ。ラッセルを交代するというのでお願いする。この方の後に付いて行き、頃合いを見て交代しようと考えていたのだが甘かった。なんとこの方は先頭でラッセルしているのに、その後でトレースをたどって楽に登っているはずの我々をあっさりと置き去りにしてしまい、たちまち姿が見えなくなってしまったのだ。いやはや何という脚力だ凄いというか凄まじい。しかしこの日驚くのはこれで終わりではなかった。この後に慶応山荘までの間に我々を抜き去っていったのは、さらに青年、大柄男性、年配?男性の3人。我々も決してゆっくり登っていたわけではないのだが、この日このルートには健脚が4人もそろったのだ。
 昨年2回このルートを登ったが、ほとんど他の人と会わなかったほどなのだが。山ではなるべく休まず休んでも短時間にしてコンスタントに行動することが結果的に「速い」ということ。それがこの日の年配男性の歩き方だった。速くてもそれを長時間維持できなければ、マイペースでも長時間行動できる人にはかなわない。
 昨年の井戸溝では単管パイプの橋が一部見えていたが、今年はすっかり雪で覆われている。健脚の人達に引っ張られて、井戸溝から慶応山荘分岐まで18分のハイペース。分岐で後続の2人を待つと、Sさんが脚の調子が今ひとつなので慶応山荘で待つという。パーティーを離脱したSさんと一時の別れで、Kさんと2人で五色沼を目指すことになる。それにしても延々とラッセルしているであろうトップの方の脚力体力には、ただただ感嘆するばかりだ。大根森に上がるとやはり風が強かった。
 前方に見える家形山とその北尾根には雪がべっとりと付いていて、斜面がヌメヌメと白く輝いている。あそこを滑ってみたいなとも思うが、雪崩れそうにも見えちょっと怖い。大根森から五色沼への取り付きは風が弱まる場所なので、休憩し行動食を口に入れる。急斜面をトラバースして登ると五色沼の大岩まではあと一息だ。先行する大柄男性に続くようにして大岩に到着。西風が激しく吹き付ける。それでもまだ立っていられるのだから、この時期この場所にしてはまださほどではないと思う。家形山の方を見るとトレースが延びている。先行者は家形山を目指して行ったようだ。まだ私は家形山に登ったことがない。近いうちに登ってみたいものだと思う。
 眼下に見える夏には深い青さが印象的な五色沼も、今はガチガチに氷結している。強風の中、稜線を南へと滑り出し地点へ移動する。青空も見えるようになってきて、一切経山が近く見える。シールを外すといよいよ滑降だ。
 五色沼の北東斜面になる動沢右股左岸を滑る。始めは片斜面が続くのだが、膝まで潜ってしまう柔らかい深雪でスキーが走らない。ついには斜面の途中で止まってしまい、下りラッセルをするハメに。イメージはバフバフのパウダーを巻き上げて滑降するイメージだったのだが。急斜面になってやっとスキーが走るようになった。短いが束の間の浮游感を楽しむ。
 斜面の下まで滑るとシールを付け直して少し歩くと慶応山荘で、待っていたSさんと合流する。登りで我々を抜いていった青年もいて、一緒に小屋の中で休憩することにした。管理人の大柿さんにコーヒーをご馳走になりながら歓談。大柿さんによると今年は15年ぶりの寒さで雪も多いのだという。青年と話しをすると福島登高会のHPも私のこのブログも見ているという。山で私のブログを見ている人に初めてあったのだが、なんだか照れくさい感じがする。居心地が良くてついつい50分近くも長居をしてしまった。
 慶応山荘分岐まで少し歩くと、帰りはしばらく往路をそのまま滑る。青年は先に行ってしまい、さらに後からあらたな人が現れ瞬く間に抜いていった。今日は皆さん速い速い。山鳥山で往路から左にそれて旧あづまスキー場トップへ。閉鎖されたスキー場の緩勾配のゲレンデは、トレースをたどらないと下りラッセルになってしまう。私はここでも深雪で思うように滑れず、転んだりしながらも何とかバニーハットに着いた。スカイラインをラッセルで下り、ショートカットして登山道に合わさると登山口に出た。もう除雪終了点にある車は我々の車だけだった。今日は一番早く登り始め、一番遅く下山したことになる。一番長く山で遊んだ我々は硫黄の匂いの漂う高湯温泉を後にして帰路についた。(K.K)

概念図

トラック 登り=赤  下り=青

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