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No.4631
蔵王・丸山沢
熊野岳 1840.5m二等三角点峰
山行種別 山スキー
ざおう・まるやまさわ 地形図

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山行期間 2012年4月21日(土)
コースタイム すみかわスキー場(9:00)→ゲレンデトップ(10:00)→刈田岳直下(11:40)→熊野岳避難小屋(12:30,12:58)→滑降開始(13:06)→かもしか温泉跡(13:42)→東北大左ェ門小屋(13:52)→濁川出合(15:02)→峩々温泉(16:07)=すみかわスキー場(16:23)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
第3リフト降り場はガスの中 標高1400mあたりでようやくガスが切れた エコーラインは除雪が終わっていた
五色岳の奥には南雁戸 井戸沢源頭の雪庇 馬の背から熊野岳避難小屋を目指す
雲海の上は信じられないほどの天気 熊野岳避難小屋 熊野岳からは月山・葉山・鳥海山が見える
宮城側から山形側へガスが流れ込む 丸山沢の下部は雲海の中だ すばらしい斜面が続く
滝の部分は喉のように狭く急だ 見晴らしが利いて気分良く滑れるのもここまで 東北大左ェ門小屋
濁川出合 林道も橋まで来ると峩々温泉も近い 橋の上から峩々温泉を見る

行動記録
 今年の冬は好天と休日が旨くかみ合わない。遠出をためらっていたところにKさんから丸山沢の誘いが来た。一度は滑ってみたいと思っていた丸山沢だが、身体の調子がイマイチで二の足を踏んでいた。峩々温泉まで滑るには時期的には遅そうだが、微かな期待を抱いて峩々温泉に車を1台デポすることにした。
 出発が遅れたこともあり、すみかわスキー場を出たのは9時だった。当然、スキー場の営業は終わっているのでリフトは動いていない。体力が落ちているのに、はたして熊野岳まで行けるのだろうか。他のメンバーは体力もあり簡単に置いていかれる。ゲレンデトップには10時に着いた。ここまで薄暗いガスの中を登って来た。ほぼ中央コースぞいに歩きだす。標高1400mあたりまでくるとガスが切れてきた。上空は雲ひとつ無い青空だ。今日も寒気にいたずらされてダメかなと諦めていただけに感動ものである。これだから山は現地に来るまでわからない。除雪してあるエコーラインを横断して尾根伝いに刈田岳を目指す。4月も下旬だと言うのに雪はふんだんにある。ふり返るとスキー場から下は一面の雲海だ。正面に見える井戸沢源頭の雪庇が崩落し始めていた。
 刈田岳の手前から右にトラバースし馬の背へ移動する。先行パーティが見える。風もなく穏やかな日だ。馬の背の歩きも結構長い、刈田岳から熊野岳の避難小屋までは2km、ちょうど自宅から職場までの通勤距離と同じなのだから長いはずだ。小屋の前では先行パーティの人たちが休んでいた。若い人たちがたくさんいる。山を登るのは年寄りばかりじゃない。これからの登山界もそう悲観する必要もなさそうだ。
 熊野の稜線からの眺めはすばらしかった。月山、葉山、鳥海山も見える。雲海のガスが宮城側から山が側へと容器からこぼれるように流れて行く。寒気はこんないたずらもするのだ。自然の力はすごい。しばし休憩してから滑降の準備にかかる。いよいよ丸山沢の下りだ。下降点へ移動しスキーを着ける。源流のオープンバーンは緩やかに高度を下げる。次に斜面は丸山沢の両斜面の雪を集めてカール状大斜面を形成する。角度も増してくる。先行パーティはビデオカメラで撮影会のようだ。多少気を遣って間を置く。カール状の斜面の左側は水の流で窪になっているが、右側はきれいなザラメ雪で滑りやすかった。滝の手前まで滑って先行パーティが滑り出すのを待った。この先も雪は繋がっている。ここから先は雲海の中である。下が見えないので、どうしても慎重になる。斜面を確認しながら、ゆっくりゆっくり高度を下げた。
 高度を下げれば雲海の下に出るかなと思ったが、ガスは切れてくれない。カモシカ温泉跡まで下りてもガスの中だ。先行パーティは「ひよどり越え」へと向かったが、雪はほどほどに着いているので、コースを知っておきたいこともあり、途中歩くことを覚悟で峩々温泉へ下ることにした。今日はツボ足のトレースがついていた。スキーなので高度をロスしないように下っていき、東北大学の左エ門小屋には13時52分に着いた。
 少し休んでから丸山沢の左岸を下降する。雪は着いていて行けそうかと思ったが、2本目の小沢を過ぎると雪の付き具合が怪しくなってきた。それでも標高1030mあたりまで下りてきたが、この先急斜面のため左岸をそのまま進むことが出来なくなった。思い切って対岸に渡渉し下降することにした。沢に雪が詰まっていればスキーを着けたままで対岸に渡れるようだが、いずれにしても時期が遅すぎる。丸山沢が濁川に合流するところが喉のようになっていて両側が急斜面になっている。雪が中途半端についているので相手が悪い。右岸に渡り急斜面をトラバースし尾根を越えようかと考えたが、それも難しい。沢の脇に踏跡を発見したので急斜面を滑り降り、そこでスキーを脱いだ。思ったより時間を費やしたのはここだけで、雪さえついていれば、そう苦労することもなさそうだ。
 濁沢出合に降り立ったのは15時02分、東北大学の左エ門小屋から1時間ほどかかった。後は林道を峩々温泉へ向かうだけ、雪を拾いながら1kmほど滑り、標高900m辺りでスキーを諦め背負うことにした。フキノトウを取りながら峩々温泉まで2kmほどの道程を歩き、16時17分ようやく峩々温泉へ到着した。(I.I)

トラック 登り=赤 下り=青


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