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No.4635
鳥海山・祓川、大清水
七高山 2229.9m一等三角点峰
山行種別 山スキー
ちょうかいさん・はらいがわ、おおしみず 地形図

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山行期間 2012年5月20日(日)
コースタイム 祓川駐車場(6:45)→七ッ釜避難小屋(7:41)→七高山(9:04,9:31)→唐獅子平避難小屋(9:38)→大清水山荘(10:02,10:24)→唐獅子平避難小屋(13:06)→七高山(14:46,15:07)→祓川駐車場(15:49)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
祓川からスタート 七ッ釜避難小屋 ソリを引く大パーティー
舎利坂へと登っていく 続々と登ってくる 七高山山頂
新山 七高山と新山の間から稲倉岳が見える ここから大清水山荘を目指して降る
大斜面を独り占めだ 大清水園地が近づく 大清水園地
大清水避難小屋と大清水山荘 駐車場(標高850m)はまだ1mほどの雪の下 夏道が一部出ていた
山頂はまだまだ遠い 唐獅子平避難小屋 外輪まであと100mほど
外輪山稜線に到着 山頂を振り返り見る 竜ヶ原湿原からの鳥海山

行動記録
 予定より遅れて午前3時過ぎに自宅を出発。鳥海山までは大きく3つのルートが考えられるが、今回は高速からR108経由とした。約3時間で祓川駐車場に到着。既に満車に近いことに驚く。快晴の空をバックに鳥海山が眼前に大きく見え、既に登っている人達が点々と見える。準備をしているとすぐ前にカップルがいて、格好を見てもしやと思い「Tさん」と声をかける。当たり!ブログでリンクさせてもらっているが、直接会って話すのは初めて。なんとも嬉しい偶然。彼らは友人と3人で祓川を滑りに来たという。先にスタートしたTさん達を追いかけるように自分も6時45分スタート。計画では5時00分出発だったがかなりの遅れ。どこまで挽回出来るだろうか。自分は左寄りのラインを取り、Tさん達のパーティーとはお別れ。先週は雪が積もったらしいが、今日の雪はザラメで歩きやすい。快晴ゆえ太陽がじりじりと照りつける。何組かの先行者を抜いたが、どうにも暑くてたまらなくTシャツ1枚になる。七ッ釜避難小屋を過ぎた標高1600m辺りで、30人ほどの大パーティーを追い越す。見るとなにやら重そうなソリを引いているが、乗せている物は人でもザックでもなく割りと小さい。何だろうと不思議に思う。
 振り返り下を見ると、斜面を登ってくる人が点々と見える。ふと鳥海山は信仰の山であることを思い出し、その姿が急坂に喘ぐ行者のようにも見える。やたらと速いツボ足の登山者もいて刺激されるが、この後が長いので意識的にペースを抑える。それでもさすがに山頂への最後の急登となる舎利坂では、何度か立ち止まり息を整える必要があった。最後は何度かジグを切って山頂に到着。10数人の登山者がいて思い思いの時を過ごしている。こちらも眼下に広がる雄大な景観を楽しみ、向かいに見える新山に目を見やる。近くでひとりの男性が29日に北斜面を滑ったと話していたので、声をかけるとやはり本庄山の会の方であった。今日は震災復興を祈念するための新しい山頂碑を上げていて、それを待っているのだという。それで合点がいった。あの大パーティーはその山頂碑を引き上げていたらしい。山頂碑は60kgあるというから、舎利坂を引き上げるのは大変だろう。
 祓川コースから登った七高山山頂から百宅コースへは、斜面をトラバースして合わせることが出来る。しかし、2年前と同じポイントから滑りたかったので、外輪山を南に歩いて移動する。百宅ルートとなる東斜面もまた素晴らしい斜面だ。フラットな大雪渓が広がり、どこでも自由に滑り放題である。自分はシュプール跡の多い直下の斜面を避け、右へ大きくトラバースして小尾根を越えた。するとこちらまでは誰も来ていないらしく、ノントレースのきれいな大斜面が広がっているではないか。スキーヤーなら誰しもがわかる、思わず歓声を上げながらの滑降となる。しかし至福の時間も長くは続かない。あっという間に唐獅子平避難小屋まで下りてしまった。小屋前にはスノーモービルが2台あり休憩中の様子。こちらは休まずに、さらに下へと滑降を続ける。小屋の前まではあったトレースはもう1本もない。自由に気の向くまま滑っていく。とはいっても登りのトレースがないので、うっかりするとルートを外してしまうので注意が必要。時折止まってはラインを修正し、下方に見えてきた大清水園地を目指す。左手に見覚えのある大蔵滝が見えると、ブナの新緑が眩しい樹林帯に入っていく。尾根を滑って行くと、落ちているブナの枝がうるさくて少し左に逃げたが、ここは尾根を忠実に下りた方がよかったようだ。
 約6kmの滑降を終え、10時02分大清水園地に到着。スタートが計画よりかなり遅かったが、なんとか引き返し予定時刻に追いつく。大清水園地の新緑の中で仰ぎ見る鳥海山は、青空を背にして穏やかにたたずんでいる。自分の他は鳥のさえずりしか聞こえず、美しい風景の別天地でしばしの休憩とする。大清水園地には山荘と避難小屋、トイレにキャンプサイトがある。いつか小屋を利用させてもらってのスキーツアーもいいだろう。靴擦れの予兆が出てきた左足のメンテをして、水分とカロリー補給をする。ここは山荘の真ん前に水場があるので有り難い。
 さて、いよいよ復路のスタートだ。距離は残り1/2でも、登りの割合は復路が多く約6割になる。まずは登山口の駐車場の様子を見に行く。2年前の5月23日は除雪が完了していた駐車場も、今年はまだ雪に埋もれている状態。除雪が近づいている様子もなく、月末まで開通は無理かもしれない。尾根に上がり登り始めると、太陽が照りつけるうえ、気温も上がってきたのかとにかく暑い。ダラダラと汗が流れ、疲労感を感じ少し登っては休むという状態になる。これから山頂までの標高差1400mを考えると、はたして登れるのだろうかと気が重くなってしまう。カロリー補給したのに、シャリバテのような状態に少々焦る。もしかすると熱中症気味かと思い、雪で頭や首筋を冷やしながら歩く。とにかくペースをゆっくりにし、しばらく辛抱することにする。そうこうしているとエンジン音が聞こえてきた。避難小屋にいたスノーモービル2台が下りてきたのだ。禁止されているわけではないが、今日のこのシチュエーションにうるさいエンジン音はそぐわない感じがする。とはいえそう感じるのも自分の勝手な思いなのだが。
 そのうち徐々に体も楽になってきた。マイペースでコンスタントに登っていける。滑るとそれほど長く感じない百宅ルートも、登るとその長さを否が応でも足で実感することとなる。ボーダーのグループが休憩中の唐獅子平避難小屋を通過すると、山頂までの標高差は残すところ500mほどとなる。斜面の上の方では何人か滑っているのが見えたが、途中からトラバースして祓川のほうへと戻っていく。小屋にいたボーダーも登りだしたようだ。そのうち自分以外は誰も斜面にはいなくなった。きつい登りに耐えながら、ゆっくりと歩を進める。歩いているとただでさえ重量のあるスキー板にザラメ雪が乗り、さらに重くなるので時々大きく足を振って払い落とす。疲れてくると重い足かせを付けられているような気分になる。自分も今後は年々体力低下していくわけだから、ブーツ、板、バインディングのトータルでの軽量化も考える必要がありそうだ。
 外輪山に14時46分到着。やれやれ登りはこれで完了。朝登ってきたときのにぎわいは既に無く、ひとり静かに休憩とする。しばし展望を楽しむと最後の滑降だ。スキーのシールを外しワックスを塗ると、斜面に飛び込む。ザラメの斜面を飛ばして左へトラバースする。祓川ルートはトレースが多くて荒れているが、柔らかいザラメなのでそれほど板を取られることもない。それでも気持ちよく滑りたくて、トレースのなるべく少ない雪面を追う。快調に滑っていると思っていたところミスってしまった。いつの間にか沢をはさんで祓川ルートの対岸側の、猿倉口ルートに入ってしまった。最後の最後に凡ミスで、リカバリーに余計な労力を費やす。ルートに戻りスキーを走らせれば、祓川ヒュッテまでは近い。まだ雪に覆われた竜ヶ原湿原で鳥海山を振り返り見る。快晴で風もなく本当に良い1日だった。ヒュッテ前を通り駐車場に戻ると、本日の単独ツアーを終了した。(K.K)

トラック 登り=赤 下り=青


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