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No4941 |
月山・本道寺
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山行種別 |
山スキー |
がっさん・ほんどうじ |
地形図 |
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山行期間 |
2014年4月12日(土) |
コースタイム |
リフト上駅(8:35)→牛首(9:32)→トラバース→滑降開始(10:48)→急斜面(11:04)→清川小屋分岐付近(11:09)→休憩(11:12,11:39)→1250mピーク(13:14,13:32)→岩根沢分岐(13:38)→反射板脇(16:03)→本道寺登山口(16:43) |
写真 |
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画像撮影位置図A

行動記録 |
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月山は裾野を広く東西南北に延ばしているが、その尾根筋がスキーツアーのコースになっている。東の肘折コース、西の品倉尾根コース、南の本道寺コース、北の北月山コースである。最長は肘折コースで、その延長は21kmにもなるが、次に長いのが本道寺コースの18kmである。自分は本道寺コース以外については滑った(品倉尾根は変則コースだったが)ことがあるので、本道寺コースの機会をうかがっていた。そんなところにkaさんより本道寺の話しがあったので、さっそく乗せてもらうことにした。
本道寺の湯殿山神社で前日に移動していたIさんと合流。車をデポして姥沢に向かう。志津温泉を過ぎ雪の回廊を登って姥沢に到着。今日は月山スキー場のオープン日とあって賑わっているが、駐車場にはまだまだ余裕がある。西川山岳会の大パーティーもいて、どうやら毎年恒例の肘折ルートへ行くらしい。スキーを担いでリフト下駅へと歩く。青空だが上空の雲の流れは速く、風の強さが予想される。消費税分値上がりしたリフト(580円)に乗り上駅へ。早くも姥ヶ岳の中腹まで登っている人も見える。我々もシールを貼って歩き出す。雪面はアイスバーンに薄く雪が乗っている状態で、トラバースでは時折板がずれる。牛首まで来ると風が当たるようになるが、月山としてはまだまだそよ風程度か。急登が始まると月山名物のスーパーアイスバーン。ある程度予想はしていたが、想定以上にガチガチのアイスバーンを目の前にして、はたして登り切れるのかと一抹の不安がよぎる。他のパーティーはと見れば、スキーアイゼンでも無理とばかりにツボ足+アイゼンに履き替えている。我々は2名がスキーアイゼンだが、自分を含めた4名はスキーアイゼンを持ってきていない。リーダーにしてからがそうなのだから、月山の強風に磨かれたスーパーアイスバーンを舐めていると言われても仕方ないが、とにかく無いものはない。当然大きくトラバースすることとなり、滑落の恐れにビビリながら、緊張の30分間を耐えて無事全員登りきった。後で聞くと撤退したパーティーもいたという。
アイスバーンの処理にだいぶ時間がかかったので、山頂を踏むのは諦めて先に進むことにする。尾根に出ると風が叩きつける。標高は1900m程で気温はマイナス3.5度。しばらくシールを付けたまま広い尾根を下る。今日は視界があるが、無ければコンパスとGPSに首っ引きになるだろう。前方にはこれから辿ることとなる尾根が延々と続いている。少し風が弱くなったのでシールを剥がした。大雪城を滑っていくと、左手下に清川行人小屋が見えた。急斜面を滑り降り標高1360mで休憩。ここまで降りると風は気にならない程度になった。
ここから先は延々と尾根を辿って歩く。滑る場面はあまり無く、尾根のアップダウンとトラバースに小ピークの巻きを繰り返す。登りがあってもシールをいちいち貼らずに、階段登高や斜登高などでしのぎ、それ以上はツボ足で登る。アップダウンをなるべく少なくするには、いかに効率的なトラバースが出来るかだが、大きな雪庇に阻まれて思うに任せないことも多い。1,278mピークは左から巻こうとして失敗し戻る。続く1,237mピークは苦労して左から巻いたが、ここは夏道どおりの右からが正解だろう。1,250mピークへの登りでは足どりが重く感じた。細かいアップダウンとトラバースの繰り返しが、思ったより足の疲労となっているようだ。休憩して後半に備える。
1,250mピークから下りると岩根沢分岐となる。小さなピークが波のように繰り返し続くが、左をトラバースして進む。標高が下がると気温も高くなり、雪庇の崩落が目立つようになったので、より注意しながら通過する。尾根の雪庇はあちこちに大きなクラックが入り、斜面からずり落ち複雑な形状となっている。時にはだましだましクラックを渡り、時には雪の消えたヤブの中を進む。いずれ崩壊するであろう雪庇の上を歩くのは緊張する。それはまだ先のことだろうとは思っても何の保証もないのだ。
972mピークは夏道どおりに右から巻くと尾根に出た。この尾根は支尾根だったのだが、正しい尾根と思い込みそのまま下降してしまった。雪庇にクラックが多く、やむを得ずヤブを歩いて下ったのでうんざりしていたところ、Iさんがルートミスに気づきストップをかけた。Iさんが気付かなかったらどこまで下っていたことやら。70〜80m登り返して972mピークに立ち、あらためて地形図を見直して納得。ここでのタイムロスは30分弱だった。気を取り直して正しい尾根を滑る。滑りやすい尾根で最後に少しだけ楽しむことが出来た。
最後の雪庇を降りると目印になる反射板が見えた。左手の杉林の方へ下っていくと、やがて林道らしき道形と合わせた。道なりに滑っていくと湯殿山神社の裏手に出たので、途切れがちの雪を拾うと神社横までスキーで降りることができた。板を外して駐車場までの残りわずかな距離を歩くと、長かったツアーも終了となった。所要時間はルートミスなどもあり、8時間以上と想定よりかなりオーバーしてしまった。ピークの巻き方、雪庇のトラバース処理などが未熟だったように思うが、これはとにかく経験を重ねるしかないだろう。このコース終盤にメンバーがいみじくも言っていた、「今日は旅をしたなあ」と。まさしくそうであった。本道寺コースは歩いてまた歩いて「山旅」を楽しむコースであった。(K.Ku) |
概念図 |
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トラック |
登り=赤 下り=青 |
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