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No4976 |
北股岳
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2024.8m三等三角点峰 |
山行種別 |
山スキー |
きたまただけ |
地形図 |
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山行期間 |
2014年6月4日(水) |
コースタイム |
駐車場(5:09)→温身平(5:27)→靴デポ地点・標高700m(6:31,6:49)→石転ビノ出合(7:13,7:20)→梅花皮小屋(9:50,10:23)→北股岳(10:48)→北股沢左俣滑降(11:05)→石転び沢・標高1650m地点(11:15,11:27)→梅花皮小屋(11:53,12:20)→梅花皮岳(12:49,13:04)→ホン石転び沢滑降(13:19)→ホン石転び沢出合(13:35)→石転ビノ出合(13:43)→靴デポ地点(13:48,14:06)→温身平(15:13)→駐車場(15:32) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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梶川出合手前・雪が少なくなったが何とか雪の上を行けそう |
梶川出合は崩落を警戒して離れて歩く |
あちこちで雪渓が口を開けている |
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緑が濃くなってきた石転ビノ出合 |
石転ビ沢 |
雪渓の幅一杯に土や小石が散乱している |
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ホン石転び沢出合 |
左岸の北股沢 |
kiさんはアイゼンを着けて登る |
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梅花皮小屋に到着 |
北股岳へ登る |
尾根道から北股沢左俣の雪渓に降りる |
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斜面をじっくり念を入れてチェックする |
45度の吸い込まれそうな斜面 |
北股沢へ滑り込む |
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大きなクラックが発生している |
雪は少し固くて凸凹もあるがまずまずの斜面 |
石転ビ沢を登り返して乾杯(その気になれるnonalcoholic) |
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梅花皮岳より北股岳を眺める |
先ほど滑った北俣沢左俣をズーム |
梅花皮岳山頂直下からのホン石転び沢はかなり厳しい状況 |
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雪が切れているので山頂部からのトラバースは諦める |
時間をかけてじっくり観察し滑降ラインを探す |
山頂より少し戻って雪渓上部に乗ることにした |
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この辺りまで降りれば滑降体勢に入れる |
ドロップして落ちるに任せる |
上部を過ぎると一気に斜面が広がる |
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まったくもって素晴らしい斜面だ |
この斜面を二人占めである |
ここを滑ったボーダーは何人いるのだろう |
行動記録 |
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山に行くときは目覚ましが鳴るとスイッチが入ったように目が覚める。今日のように2時間半しか寝ていなくてもだ。仕事の日はあと10分あと5分と粘るのに、自分で自分に感心してしまうのだが、それほど気持ちが山に向かっているということなのだろう。飯豊山荘までは自宅から約130キロほどある。車を走らせていると、徐々に空が明るくなり朝が開けてくる。飯豊山荘の先にある湯沢ゲート手前の駐車場には先客が1台だけで、やはり平日の登山者は少ない。ほどなく今日の相方となるKIYOちゃんが到着。登山届出所に登山計画書を入れると歩き始めた。門内沢を滑った先週土曜日からまだ4日しか経っていないのだが、温身平の新緑はさらに濃くなったような感じがする。
途中の雪渓は4日間で驚くほど小さくなっていた。この分では今日狙っているホン石転び沢の状況が心配になってくる。梅花皮岳山頂直下の雪は横にクラックが入っていて、5月31日に滑ったEさんや6月1日に滑ったTさんは横に逃げて降りた。しかし、この分では今日はどんな具合になっているかわからない。とにかく登ってから判断するしかない。
4日前にスキーで歩き始めた梶川出合下は、雪渓の崩落を心配していたが見たところ大きな変化は無い。何とか大丈夫だろうとここから雪渓に乗ることにしたが、いつ崩壊するかもわからないのでしばらくはお互い離れて歩くことにする。あちこちで雪渓が口を開けている。石転ビノ出合も緑がだいぶ濃くなってきた。石転ビ沢に入ると、雪渓の幅一杯に土や小石が散乱している。両岸の雪が崩壊して土や石を巻き込み流れ落ちたのだ。やっと茶色地帯を抜けると、程なくホン石転び沢出合である。
稜線への最後の急斜面にkiさんはスノーシューを外してボードブーツに12本爪のアイゼンを装着した。自分はスキーを担いでツボ足となっただけだが、雪面が緩んでいるのでスキーブーツならキックステップで登れるのだ。石転び沢は落石に注意が必要だ。両岸に注意しているのだが、キツイ登りでつい下を向いてしまう。と、突然2人の間を左岸から30〜40センチの平たい落石が、音も無く縦に回転しながら横切ったので驚いた。
梅花皮小屋に到着しひと息つく。スタートしてから4時間40分ほどかかった。速くはないが遅くもないタイム。次に北股岳へと登る。条件(斜面の状態と体力と時間)が整えば北股沢を滑るつもりでいたのだ。kiさんの体力も十分なようなので、北股岳の山頂を目指して登り始める。
北股岳山頂よりこれから滑る斜面を観察し、尾根道から北股沢左俣の雪渓に降りる。斜面をじっくり念を入れてチェックする。これから滑るのは45度の吸い込まれそうな斜面だ。滑り始めると、途中大きなクラックが発生している。もちろん落ちたらただでは済まないので慎重にクリアーする。雪は少し固くて凸凹もあるが、まずまずの斜面で滑りやすかった。登り返しが大変なので途中からトラバースして石転び沢に合わせる。
石転び沢を200m登り返してノンアルコールのプレミアムで乾杯。次はホン石転び沢を滑るために梅花皮岳へ登る。梅花皮岳山頂直下からのホン石転び沢はかなり厳しい状況だ。雪が切れているので山頂部からのトラバースは諦め、時間をかけてじっくり観察し滑降ラインを探す。結局、山頂より少し戻って雪渓上部に乗ることにした。深いクラックになっている部分もあり、落ちないよう慎重に動く。
少し下降してから滑降体勢に入れる。あとはドロップして落ちるに任せる。上部を過ぎると一気に斜面が広がる。すばらしい大斜面を二人占めである。一気にホン石転び沢の標高差800m近い滑降を終えて石転び沢に合わせる。
快晴の青空の下、まさしく「THE DAY」とも言うべき素晴らしい1日であった。その後も結局、駐車場まで誰にも会うことはなかった。平日とはいえ、まさに我々2人の石転ビ沢であったのだ。今回は北股沢とホン石転び沢の2本と少々欲張ってみたが、思ったより縦溝も少なく快適な滑降となった。ただし、今回のホン石転び沢の梅花皮岳直下は、いつブロック崩壊してもおかしくない状況であり、決して人に勧められることではない。しかしそれでも、リスクを計り、自分の体力気力と現地の状況を天秤にかけ、見えたひとつのラインを繋いだときの充実感は何物にも代えようがないのも事実なのだ。さて、終わりよければすべて良し。今回の良い印象と良いイメージのまま、これにて今期の板納めとしよう。
※追記 この山行の1週間後くらいと思っていた梅雨入りだが、東北南部はなんとこの飯豊の翌日の6月5日に梅雨入りとなった。結果的に山スキーのラストデイだったわけである。そういう意味でも出来過ぎの飯豊であった。(K.Ku)
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概念図 |
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国土地理院地図(電子国土web)で見る
トラック |
登り=赤 下り=青 |
※ 滑降のGPSログデータが正しく記録されていません |
より大きな地図で 2014.06.04_飯豊 を表示
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