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No5044
安達太良山・合宿
1699.7m二等三角点峰
山行種別 山スキー
あだたらやま・がっしょく 地形図

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山行期間 2015年1月10日(土)〜12日(月)
コースタイム 1月10日 奥岳(10:35)→勢至平・峰ノ辻分岐(12:27)→テン場(12:30)
1月11日 テン場(9:10)→峰ノ辻(10:23)→本山(11:35,11:57)→峰ノ辻(12:40)→テン場(13:24)
1月12日 テン場(8:46)→奥岳(9:42)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
安達太良山頂はガスの中 先行していた本隊に追いつく 勢至平では風が当たるようになる
テン場の整地作業 テントの設営 設営完了
雪を溶かして水を作る 2日目は好天に恵まれる 勢至平は晴れている
峰の辻を目指す 峰の辻からは稜線の牛ノ背分岐へ 稜線の風は強いが歩けるレベル
山頂へはツボ足で 本山の山頂にて 牛ノ背の稜線を戻る
矢筈森下部 晴れた峰ノ辻 峰ノ辻からの安達太良山頂
篭山のピーク テン場へと戻る ペミカンの夕食となった

行動記録
 山スキーを冬季の活動の中心に据える福島登高会では、例年1月の連休は冬山合宿と決まっている。冬山における基礎技術とテント泊での生活技術を、初心者は学び中堅者は復習するのが目的である。今年は久しぶりに安達太良山で実施することとなったが、思えば5年前に自分が初めて冬山でのテント泊を経験したのがここであり懐かしい。ところで合宿といっても、皆が3日間通して参加できるわけではない。4人が3日間通しての参加だが、2人は初日と中日、若手2人は中日と最終日に参加するという、変則的な6人パーティーとなった。6人であればテントはジャンボエスパース1張りで間に合うので、ある意味合理的な形態となったが少々寂しい参加人数である。合宿は全員参加が原則ではあるが、仕事や家庭で抱えるものが多い社会人山岳会の現実でもある。前日準備をしていると、11日に登ってくる予定の若手1名がインフルエンザで不参加になったとの連絡が入る。おやおや残念だが致し方ない。他のメンバーは明日無事集合してくるだろうか…
 10日朝の天候はまずまず。ところがちょっとしたトラブルが起きた自分は、集合時間に間に合わない状況になった。途中で電話をして皆には予定どおりスタートしてもらうようにする。あだたら高原スキー場の駐車場に到着したのは10時を10分ほど過ぎていた。辺りを見ても仲間の姿はない。予定どおり10時にはスタートしたようだ。駐車場で準備をしていると、スキー客に混じって登山者が歩いていく。自分が奥岳登山口から歩きだしたのは10時40分。しっかりしたトレースがあるので歩くのは楽である。先行していた10人ほどのツボ足パーティーを追い越すと、やがてsugiさんを含めた6名の本隊に追いつくことが出来た。かなりゆっくりとしたペースで登っていたようだ。今日sugiさんは泊まらないが、荷揚げと設営のサポートで同行してくれている。休憩後に小1時間で勢至平の峰ノ辻分岐まで来ると、右手の平坦なカラマツ林へと入ってすぐが合宿のテン場である。厳冬期の安達太良山は風が強いのが当たり前だが、ここは地形の関係なのか不思議なことに風があまり当たらない。
 ザックを降ろすとさっそくテン場の整地にかかる。整地とはテントを張る場所の雪を踏み固めることなのだが、これをしっかりやるかやらないかでテント生活の快適性が違ってくるので念入りに行う。作業中にも通年営業のくろがね小屋を目指しているのであろう登山者がぞくぞくと登ってくる。今日の小屋は満員御礼だろう。テントの周りに風除けの雪ブロックを積み、トイレまで作ると2時間近くが経過していた。荷揚げと設営のサポートで同行していたsugiさんが下山すると6人となった。テン場の周辺でビーコン訓練を行う。各自のビーコンの年代も機種も様々で、シングルアンテナのビーコンのメンバーもいた。やはり探知はダブルやトリプルのビーコンが圧倒的に早い。ひと通り練習してから3時半頃にはテント内に引っ込んだ。ここで残りの若手1名もノロウイルスでダメになったと聞かされた。ということは11日は4名での泊まりになるということだ。雪を溶かして水を作り、O会長が直々に作ってくれた炊き込みご飯の食事を済ませる。その後は酒をチビチビとやりながらのあれこれ談義となる。山ではこの時間が何とも楽しい。遠くで風が唸っているが、ここのテン場は穏やかなものである。21時前に就寝。
 7時過ぎに目を覚ますとまだ誰も起きていない。みんな朝寝を決め込んでいるので起こす。食事を作り始めたのだが、ガソリンストーブの火力がなぜか上がらない。それでも何とかおじやを作り食事を済ませた。今日は安達太良山頂を目指す。テン場を出たのは9時10分頃。風も無く青空が見えているが、稜線には雲がかかっている。登っていくと徐々にガスの中に入っていくが視界は利く。峰ノ辻から多くの登山者は斜面をトラバースして山頂に至るルートを選ぶが、我々は稜線に出て山頂を目指すルートを取る。雪が少ないので岩があちこち出ているが雪を拾ってスキーで登っていく。しかし、稜線までもう少しというところでガレ場となり、スキーを外してツボ足で歩くことになった。稜線の牛ノ背分岐辺りで再びスキーにする。さすがに稜線は風があるのでフードを被る。稜線を南へ700mほど歩き、山頂手前で岩の陰にスキーをデポするとツボ足で登る。
 山頂に立つとこの時期としては風も弱く、雲間から青空も見えて思ったより条件が良い。休憩時でも特に風を避ける工夫をしなくても問題無いほどだ。厳冬期の安達太良山としては珍しい。そうしているうちにも登山者が登ってくるのが見えるが、スキー場の方向からは誰も登ってこない。それもそのはずで、ゴンドラが昨シーズンから冬季は動かなくなったのだ。山頂からの戻りも往路をそのまま辿る。牛ノ背分岐からの下りは、矢筈森を回り込み振子沢源頭を滑り降りる方法もあるのだが、リーダーの判断によりシールは貼ったままで峰の辻まで戻った。皆が休憩しシールを剥がしている間に自分は、斜面を30mほど登ってから滑り降りることにした。思ったより滑りやすい雪で気持ちよくシュプールを描く。これなら振子沢も良かったかもしれない。今朝のトレースを辿るとテン場には13時24分に着いてしまった。
 今日下山するsaさんとTさんを見送る。入れ替わりに登ってくるはずだったsuge君とW君は来ないので、今日は特に訓練することも無くなった。早いが水でも作るかとなったのだが問題が発生した。ストーブがどうやっても着かないのだ。あれこれやってみてやっと着いたが、ごく弱い炎にしかならない。分解できるところは分解して原因を探したが皆目わからない。今回の装備計画には予備のストーブを入れてないので、このままでは水も作れないし食事も作れない。ましてや暖を採ることもできない。これも訓練のうちと冗談を言ってみたりもするが、実際のところ参った。仕方がないので酒を飲んでつまみや行動食を食べる。そのうち夕食のカレー用のペミカンが食べられるだろうと気づき、時間をかけてやっと人肌程度に暖めた。味は薄いが十分食べることが出来る。ごく弱い炎でも室温はプラスになっているようで、それほど寒くは感じない。明朝あまり早く起きたくないので粘ったが、酒もつまみも無くなり20時過ぎには就寝。
 1月12日、ストーブの不調もあり今日は下山するだけなのでゆっくり寝ていると、7時頃外でおはようと声がする。Iさんに昨夜ストーブの不調を無線で報告していたのだが、サポートに登ってきてくれたのだ。Iさんは膝の不調で合宿には参加していないのだが、あまり長時間でなければ歩くことは問題ないようだ。Iさんが持ってきてくれたお湯とカップヌードルでの暖かい朝食は本当にありがたい。朝食には行動食を食べるつもりだったのだ。Iさんは奥岳を5時半頃にスタートしたというから感謝である。朝食後テントを撤収すると下山にかかる。気温が低いので雪がサラサラしてスキーが走る。馬車道を滑り降り1時間とかからずに奥岳に到着。予定よりだいぶ早いが現地解散となった。(K.Ku)

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