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No5092
会津駒ヶ岳
2132.6m一等三角点峰
山行種別 山スキー
あいづこまがだけ 地形図

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山行期間 2015年4月12日(日)
コースタイム 登山者用駐車場(6:10)→ヘリポート跡(7:45,8:00)→1990m標高点(9:54)→会津駒ヶ岳(10:26,10:54)→駒ノ小屋(11:14)→駐車場(12:45)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
登山者用駐車場よりスタート 滝沢登山口からスキーで歩く 一部で路面が出ていた
ガリガリの急登 ヘリポート跡 ブナ林の中を登る
オオシラビソとダケカンバの林に変わる 2098mピークと大戸沢岳 左手には燧ヶ岳
山頂へとトラバース 最後のひと登り 山頂で休憩
駒ノ小屋に登り返す 登ってきたちびっ子登山家(小2) 沢の源頭へと滑る
なんともメロウな斜面 北斜面をトラバース 尾根に戻って滑る
ブナ林の滑降 ちょっと回り道 お疲れさまでした

行動記録
 福島県桧枝岐村の会津駒ヶ岳は、福島、新潟、群馬三県の境に位置する尾瀬国立公園の中にある。前日夜に現地へ移動し、早朝から登り始めた。天候に恵まれ、関東を中心に多くの登山客でにぎわっていたのが印象的。急な斜面が続いた序盤で筆者が足を引っ張ってしまったが、最終的には予定より1時間早く2133mのピークへ到着した。山頂付近は最近降ったと思われる新雪で覆われていた。直下のオープンバーンと、尾根沿いの適度な斜度の林間コースを1時間半ほどで滑りきった。
 前日の午後7時過ぎに福島市を出発。高速道路を利用し、東北道を南下する。しかし、会話の最中に降りるべき白河インターを通過してしまい、西那須野塩原インターから国道400号線で檜枝岐村を目指すことに。多少延びたとはいえ、距離にして20キロ程度の誤差だ。車のほとんど走っていない山道を約2時間かけ、午後11時すぎに「アルザ尾瀬の郷」の駐車場へ到着。登山客とおぼしきバンが数多く停車していた。早速、佐○さんのテントを張って荷物を中に。熊○さんお手製の山菜料理もつまみつつ夕食を取った。午前0時に就寝。入り口付近だったこともあり、午前2時くらいまでエンジン音や人の声が散発的に聞こえてきた。気になるようであれば、テントの張る位置は工夫した方がいいだろう。
 翌午前5時に起床。テント内で温かい朝食を取った後、素早く撤収の準備をする。起きてから1時間もしないうちに移動ができた。車は北へ500メートルほど移動した火葬場の前に駐車したが、ここにも多くの先客が。ナンバーはほぼすべて関東圏だった。登山口まで少し歩き、午前6時10分すぎ、雪で覆われた林道を登り始める。最初の橋を渡った直後に1カ所だけ雪が切れていたので、スキーを外す。10メートルもない。
 橋を渡り林道を外れて上ノ沢からショートカットする。朝早く気温が低く、斜度もそれなりにあったので、シールの効きが悪く、熊○さん以外は序盤から何度か足を取られた。途中からスキーアイゼンを装着した佐○さんが一定のペースで先頭を進んでいき、熊○さんがそれに続く。この間、筆者は木陰の凍った斜面で2度滑落し、大幅に遅れを取る。2度ともうまくツリーホールに入ることで止まれたが、斜面を滑り台のように加速していく恐怖を初めて味わった。熊○さんによると、滑落の要因は重い板のせいもあるが、距離の短い急な斜面を選んでしまったことも影響しているという。たしかに、遅れてはならないというプレッシャーで、自分の技量や道具に合ったルートを取れていなかった。
 序盤の激坂を過ぎ、ヘリポート跡あたりまでくると、急でもなく緩くもない斜面が延々と続く。マラソンのように一定のペースを守りながら登った。珍しく熊○さんがバテているような素振りをみせる。原因はスキー板の裏にあった。団子状に固まった雪が、まさしく足枷のように重さを感じさせるのだという。熊○さんのトレースにはツボ足で踏み抜いたような穴が空いていた。
 標高が上がってくると南南東の方角には、東北以北の最高峰、燧ヶ岳が姿を現す。名前は分からないが、ほかにも立派な山脈が見渡すかぎり広がっていた。目指す駒ヶ岳のピークも右手に見え、登りはいよいよ佳境に入る。真っ白い砂丘のように開けた尾根沿いには、色とりどりのウェアを身にまとった登山客の姿が散らばる。一方で、山スキーヤーは少数派だった。ピークめがけて、ほとんど雪で埋まった避難小屋の脇を最短で結ぶ。最後の山頂直下も下るには気持ちの良さそうな斜度なため、足が重たくなる。しかし、序盤のようにガリガリではなく、新雪のような柔らかさなので、安心してシールをきかせることができた。
 午前10時26分、予定よりも1時間早く山頂に到着。余力のある熊○さんが山頂直下のバーンをめいっぱい楽しんでから登り返すという贅沢な提案をする。昼食を取った後、熊○さんと筆者とで山頂北東のオープンバーンを攻める。雪も柔らかく、気持よくターンできる適度な斜度で、一気に疲れが吹き飛んだ気がした。そのまま下まで行きたい気持ちにかられたが、沢に入り込んでしまうため避難小屋の方向に登り返す。ここで登山ルート沿いを滑ってきた佐○さんと合流。避難小屋直下のオープンバーンを3人で楽しむ。
 登ってきた尾根沿いを右手に見ながら、トラバース気味に高度を下げていく。トレースが残る林間に戻ってからも、適度な木々の密度と斜度で楽しめる。早めに尾根沿いへ戻ったが、うまくすれば1400メートル付近まで下っても登り返さずに戻れそうだった。徐々に雪が汚れてくるが、気温が上がったため最後まで柔らかかった。ただ、ツリーホールが段々と広がってくるので、終盤はスピードを抑え安全第一に滑り降りる。しかし、あと一息で林道に入るといった所で、筆者と佐○さんが尾根をひとつ右手に外してしまう。雪が途切れ始め、斜度もあったため戻るのに余計な疲労がたまってしまった。似たような沢がたくさんあり、戻るのも一苦労なので気をつけたい。12時半すぎに全行程が終了した。
 檜枝岐役場近くの「駒の湯」(500円)で汗を流し、帰途に就く。帰りは会津方面から115号線の下道を選んだが、行きとあまり変わらない4時間弱で戻って来ることができた。(Y.Ku)

概念図

ルート図 登り=赤 下り=青

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