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No5118
飯豊連峰・石転び沢
山行種別 山スキー
いいでれんぽう・いしころびさわ 地形図

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山行期間 2015年5月17日(日)
コースタイム 大淵・梅花皮荘分岐(5:10)→飯豊山荘(6:10)→温身平(6:33)→雪渓末端(7:46,8:01)→石転ビノ出合(8:44)→梅花皮小屋(11:20,12:20)→石転ビノ出合(13:20)→雪渓末端(13:27,13:42)→温身平(14:52)→飯豊山荘(15:15)→大淵・梅花皮荘分岐(16:13)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
大淵(梅花皮荘分岐)から先はまだ通行止め 町道の除雪は完了している 飯豊山荘
湯沢ゲート ブナ林の中を歩く 温身平
稜線に梅花皮小屋が見える 砂防ダム脇の階段から登山道になる 登山道崩壊箇所
何とか通過することができた 下ツブテ石 小沢の雪渓を登る
「うまい水」でひと息つく 「婆マクレ」を通過 地竹原の手前
いつもと同じく地竹原の先から雪渓に乗る 沢が口を開けている 門内沢が見えてきた
石転びの出合 石転び沢 先行者が3人見える
ホン石転び沢出合 斜度が増してくる キツイ登りが続く
左岸のデブリ 北股沢 ここからはツボ足
振り返り見下ろす 振り返り見下ろす 北股岳と佐◯さん
大日岳 梅花皮小屋と北股岳 水場が使える
ハクサンイチゲ ミヤマキンバイ ザラメで滑りやすい斜面
高度感が気持ち良い フラットな斜面を飛ばす 北股沢左俣を滑り降りてきた小◯君
下りはあっという間だ ラインを選んで下降 帰路での登山道崩壊箇所

行動記録
 いよいよ今シーズンも終盤だ。となれば必然的に飯豊である。行き先を石転び沢として、声をかけたところ何人かが呼応してくれた。佐◯さんと黒◯君は石転び沢が初めてだ。特に黒◯君は今シーズンから山スキーを始めたばかりだというのに、もう石転び沢なのだから進歩の早さには驚くばかりだ。佐◯さんはベテランだが飯豊は夏山ばかりで、これまでスキーの機会がなかったという。◯樹さんと小◯君の2人は石転び沢だけでは物足りないだろうから、別パーティーとして北俣沢を滑ってもらうことにした。天気は晴れだが、風があり気温もちょっと低めとの予報。かえって暑くなくて好都合かもしれない。
 梅花皮荘のある大淵には午前4時45分着。今日は前日入りしていた佐◯さんと黒◯君との3人パーティーだが、北俣沢を滑る予定の〇樹さんパーティーとは、石転びの出合辺りまでは一緒に歩く予定だ。飯豊山荘までの町道はまだ開通していない。ゲートから先は歩くか自転車になるのだが、我々は歩くことにした。自転車より時間はかかるが、アップダウンがあって自転車もそう楽ではない(と自分は思っている)のだ。準備をしているとどこかの3人組が自転車で走っていった。5時11分にスタート。足下はいつものように長靴だ。町道を塞いでいた雪も11日辺りに除雪され、車道にはまったく無くなっていた。しかし、ガードレールなど安全施設の設置が終わらないと、町としては正式に開通はできないのだ。10日に登った西俣尾根を右手に見ながら歩く。飯豊山荘までは5km近くあるが1時間で通過。湯沢の橋を渡り林道へと進み、温身平の表示板のところまでは1時間23分かかった。少し先に自転車が3台デポしてあるが、さらにもう1台の単独スキーヤーが登場し、自転車をデポし始めた。やはり、自転車を利用する人が多いようだ。
 所々に雪が残る林道を進むと砂防ダムがあり、脇の階段からが登山道となる。登山道は「飯豊朝日の登山者情報」にあったとおり、下つぶて石の手前で登山道がそっくり崩れていて道形が無くなっている。わずかな踏み跡もあり通過は可能だが、急斜面から滑り落ちないよう慎重に足を運ぶ必要がある。「うまい水」の水を飲みながらひと息ついていると、先ほどの単独スキーヤーが追い越していった。
 沢の雪渓にはいつもと同じ「地竹原」の先から乗ることができた。問題は薄くなっている雪渓の状態と沢割れがどの程度あるかだが、先行していた単独スキーヤーがスキーで歩き始めたのを見て我々もシール歩行することにした。あちこちで沢が口を開けているが、滝沢出合を過ぎ梶川沢出合まで来ると雪渓は繋がってきた。天気も良く微風で気温も高くなく歩きやすい。石転びの出合まで来て石転び沢を見上げると、いつになくデブリも少なくきれいな雪渓だ。石転び沢に入ってからは各々のペースで登る。休憩していたらしい単独スキーヤー氏にいったんは近づいたが、彼が登り始めるとどんどん小さくなってゆく。かなり速い人なので、たぶんS氏ではないかと◯樹さんと話す。
 ○樹さんと小◯君の2人はどんどん先行してゆく。〇樹さんは別格だが、小〇君も私の半分の年齢。こちらの3人はマイペース。バテないようにするためには鉄則である。登山者は我々の前後に5〜6人程度で思ったより少ないが、町道が開通していないのでこんなものかもしれない。斜度が増したところでツボ足に切り替える。先行する◯樹さんだけはクトー(スキーアイゼン)を付けてスキーで登っている。自分は緩んだ雪にキックステップが決まるのでノーアイゼン。他の皆さんはアイゼンを装着。先行する小◯君のステップを拝借したが、どうにも間隔が合わないので結局自分で刻んで登る。いつものことながら梅花皮小屋までの300mがキツイ。稜線の梅花皮小屋に到着すると、風があり少し寒く感じる。そのうち黒◯君、佐◯さんの順に到着する。〇樹さん達2人は北股沢を滑るために北股岳へと登っていった。
 梅花皮小屋の水場は出ているので水を補給する。道の脇には早くもミヤマキンバイとハクサンイチゲが咲き始めていた。しばし休憩してから滑降に取りかかる。小屋の直下は急斜面のはずだが、なぜかそれほど急には感じない。今日はまだ誰もシュプールを付けていないザラメの斜面を気持ちよく滑降する。登りの時にツボ足に切り替えた辺りで止まり、北股沢を見上げて滑ってくるはずの2人を探す。しばらく待つと北股沢左俣の上に現れたのを見つけた。自分は過去2回左俣を滑っているが、こうして人が滑るのを観察するのは初めてで興味深い。左俣斜面にはクラックが何箇所もあるが、2人はうまくクリヤーしながら滑り降りてきた。このダイナミックな景観の中で滑ることができるのが、山スキー・山ボードの醍醐味でもある。
 5人合流すると、残りは消化試合みたいだなと言いながらスキーを走らせる。一気に滑り降りたいがパンパンの足はそれを許してはくれず、休み休みの滑降となる。長靴のデポ地点でスキーを担ぐと、ひたすら歩くのみだ。町道を歩いていると、今朝の自転車3人組が追い越していき、さらには原付のオッサンまでが。次回は自転車を持ってこようか。2時間半テクテク歩いて大淵に到着。いつものように梅花皮荘で汗を流して(500円)帰宅した。
※今年の雪解けは例年より2〜3週間ほど早い。5月17日の状況も、既に6月上旬という感じがする。沢の雪渓はあちこちで窪み、崩落し沢割れが進んでいる。石転び沢へ向かう場合は、そのことを考慮し十分注意する必要がある。(K.Ku)

概念図

ルート図 登り=赤 下り=青

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