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No5125 |
飯豊連峰・ホン石転び沢
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烏帽子岳 2,017.8m三等三角点峰 |
山行種別 |
山スキー |
いいでれんぽう・ほんいしころびさわ |
地形図 |
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山行期間 |
2015年5月23日(土) |
コースタイム |
大淵・梅花皮荘駐車場(5:00)→飯豊山荘(5:27)→温身平(5:39)→自転車デポ地点(5:44)→うまい水(6:31,6:42)→靴デポ地点(7:08,7:23)→石転ビノ出合(8:02,8:10)→梅花皮小屋(10:32,10:58)→梅花皮岳(11:23)→烏帽子岳(11:43,12:10)→滝沢登り返し地点・1610m(12:18,12:28)→梅花皮岳(13:57,14:18)→ホン石転び沢出合(15:00)→石転ビノ出合(15:21)→靴デポ地点(15:48,15:59)→自転車デポ地点(17:03)→飯豊山荘(17:17)→大淵・梅花皮荘駐車場(17:32) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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梅花皮荘からの梶川峰と主稜線 |
温身平から見える稜線 |
薄く踏み跡のある崩壊箇所 |
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小沢の雪渓も崩壊が進んでいる |
地竹原手前の河原は雪渓が消えた |
滝沢出合(この沢の源頭部を滑る) |
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梅花皮沢の雪渓は崩壊が進んでいる |
梶川出合も一部穴が空き流芯部が凹み始めた |
石転ビノ出合 |
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石転び沢へ進む |
ホン石転び沢出合 |
山頂部アップ |
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元気な久○君 |
ステップを切って登る |
梅花皮小屋 |
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久○君とAさん到着 |
梅花皮岳からの北股岳 |
梅花皮岳山頂直下の状況 |
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烏帽子岳その先は飯豊本山 |
大日岳が近い |
滝沢を俯瞰する |
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ご機嫌に滑る久○君 |
フラットで快適な斜面 |
素晴らしいロケーションだ |
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梅花皮岳へ登り返す |
梅花皮岳山頂より北股岳方向 |
ホン石転び沢を見下ろす |
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ドロップして見上げる |
止まった地点から見上げる |
滑ることができなかった斜面 |
行動記録 |
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今シーズンの板納めは飯豊の石転び沢とした。石転び沢は17日にも行ったのだが、思いのほか雪面がきれいで好印象だった。また普通に石転び沢を滑るのでは物足りないので、大滝沢とホン石転び沢を滑ることにした。大滝沢を滑るのは初めてだが、時間と体力の関係で適当なところで登り返し、ホン石転び沢を滑る計画とした。これで半年に及ぶ山スキーシーズンもいったん休みになり、夏山のシーズンに入る。
午前5時に梅花皮荘の駐車場から自転車でスタート。大淵の通行止めゲートの脇を通りペダルを漕ぐ。温身平の看板より100mほど進んだところに自転車をデポし、スキーを担いで歩く。登山道の崩壊箇所をクリアし、小沢の崩れかけた雪渓を慎重に通過すると「うまい水」でひと息ついてから先に進む。梅花皮沢に残っている雪渓は6日前よりかなり減っていたが、「地竹原」の先で雪渓に乗ることができた。少し先まで歩いてスキーに切り替える。雪渓はあちこちで窪み割れ始めているので、ラインを選んで歩いていく。
梶川出合を過ぎるとやっと少し安心できる。石転ビノ出合から石転び沢へと進み登っていく。今日は我々がトップのようだ。同行の久○君はこの1年で体力をつけ、グイグイ登っていくので置いていかれそうだ。6日前と比べてもデブリは増えておらず、石転び沢の雪渓はきれいだ。斜度がさらに増したところでつぼ足に切り替える。もちろん斜面にまだステップはないので、ブーツを蹴り込んで登っていく。この頃なぜかトップでステップを切ることが多い。一歩一歩数えるようにして登ると梅花皮小屋に到着。泊り装備ながら早くも追いついてきた山形のAさんと小屋前で話す。Aさんは数々のロングルートをこなしている強者だ。水場で補給すると梅花皮岳へと登り、ホン石転び沢の状況を確認。山頂直下の雪はかなり細くなり切れ始めており、ちょっと厳しいかなという感じだ。
山頂より南へ烏帽子岳へと移動する。滝沢は右俣が梅花皮岳へ左俣が烏帽子岳へと繋がり、その間は大斜面になっている。快晴で風も穏やかな烏帽子岳山頂で昼食。本山や大日岳が近く見える。2人以外には人影さえ見えない。登山者の多い石転び沢とは違いまったく静かなものだ。斜面は縦溝もほとんど無くフラットで状態が良い。滑り始めると程よいザラメの斜面にシュプールを刻む。開放的で気持ち良い斜面に、2人ともごすっかり機嫌になってしまう。登り返しは気になったが、二俣で斜面が狭まるまでの400mを一気に滑り降りた。滝沢をこのまま下降すれば梅花皮滝があるはずだ。見てみたいとは思うが、それは次回の課題に取っておこう。梅花皮小屋に泊まって滑るのも楽しそうだ。登り返しは右俣を梅花皮岳へシール登高する。最後の20mほどはツボ足で登り、稜線登山道に出るとすぐ梅花皮岳山頂だ。
さっそく山頂直下の雪を観察。今年は雪消えが早く、斜面にへばりついている残雪もかなり少なくなっている。2人であれこれ相談し、残雪の幅が1mもないところを突破すれば後は大丈夫だろうと目星をつけた。スキーを落として何とか核心部分を無事通過し、最初のターンをし始めたところで突然スラフが背中から降ってきた。スラフととも自分も流され、慌てて止めようとしたが止まらない。やっとスラフの流れから横に逃れて止めてホッとする。後でGPSの記録を見ると80m以上落とされていた。怪我はないが右のスキーは外れてしまい見当たらない。少しして久○君が滑り降りてきたが、上に板は見当たらなかったという。仕方なく1本スキーで急斜面を下る。スラフは遥か下まで流れ落ちていたが、結局板は見つからなかった。もはや登り返して捜索する体力も時間もないので諦めるしかない。スキーを1本だけ担ぎツボ足で下ることとした。今日は今シーズン最後の山スキーで板納めとするつもりだったが、本当に「板納め」してしまうとは思いもよらなかった。滑ればあっという間の雪渓も、歩くとやけに長く感じる。デポしておいた長靴に履き替えて下山した。
今回は怪我がなかったとはいえ、かなりヒヤッとした出来事だった。気温が上がっていたので、当然スラフの発生を予測しなければならなかったのだが。急斜面を前にして少々舞い上がっていたのかもしれない。しかも、自分が発生させたスラフの流れに、自分からターンして巻き込まれたというのはかなりお粗末。自分の未熟さを思い知らされた。振り返ればこの頃の山行、少々慎重さに欠けていたようにも思われる。山には謙虚さが大事だと再認識したホン石転び沢だった。(K.Ku) |
概念図 |
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ルート図 |
登り=赤 下り=青 |
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