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No5292 |
吾妻山・県境尾根縦走
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山行種別 |
山スキー |
あづまやま・けんきょうおねじゅうそう |
地形図 |
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山行期間 |
2016年3月20日(日)→21日(月) |
コースタイム |
3月20日
天元台・湯元駅(9:10,9:37)=リフト終点(10:19,10:33)→人形石(11:20)→藤十郎(12:14)→東大巓(13:40)→兜山・昭元山コル14:20→雪洞設営地(14:25)
3月 21日
雪洞(7:00)→昭元山・烏帽子山コル(7:24)→烏帽子山・ニセ烏帽子山コル(8:27)→家形山(10:00,10:16)→慶応山荘(11:15,12:00)→磐梯吾妻スカイライン(13:00)→高湯温泉(14:10) |
写真 |
写真は拡大して見ることが出来ます |
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あちこち地面の見えるゲレンデ |
ガスの中を登っていく |
中大巓北斜面のトラバース |
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人形石の指導標 |
ガスの中を縦走する |
弥兵衛平手前で昼食 |
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弥兵衛平を歩く |
ガスが濃くなり何も見えない |
夏道の表示板 |
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雪洞作り開始 |
内部拡張工事中 |
2時間で完成 |
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豚キムチ鍋の夕食 |
就寝 |
昭元山北斜面をトラバース |
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烏帽子山とのコルに出る |
昭元山を背して登る |
谷地平が見える |
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烏帽子山南斜面をトラバース |
緊張のカリカリバーン |
ニセ烏帽子山 |
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太陽が眩しい |
一切経山などの眺め |
家形山の上部は平坦な台地状 |
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輝く五色沼 |
家形山東斜面 |
固いバーンでも楽しい |
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コルから大岩までは雪が無い |
沢筋を下降する |
慶応吾妻山荘に到着 |
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山荘分岐 |
小沢を渡る |
雪の無い磐梯吾妻スカイライン |
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スキーを担いで歩く |
沢を渡る |
登山口 |
行動記録 |
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3月は雪洞での合宿を恒例としているが、昨年は諸事情から実施できなかったの2年ぶりになる。自分がリーダーを仰せつかったが、今シーズンは記録的な少雪だ。雪洞を確実に作ることが出来ること、入下山に少雪による支障が無いことなどを念頭に山域を検討した。散々迷ったあげく、結局は実績があり比較的慣れている吾妻縦走ということにした。下山となる高湯温泉辺りは雪消えが進んでいるので、少々スキーを担いでの歩きは覚悟の上だ。テントではなくあえて雪洞とするのは、山スキーをやる上では必要なビバーク技術を学ぶためでもある。冬山で緊急ビバークすることになっても、雪洞なら身を守ることが出来るからだ。今年の参加者は5人となったが、雪洞経験者は自分と河◯さんだけである。
<3月20日(日)>
高湯温泉は7時集合としていたが10分ほど前には全員集合。この時期は雪に覆われているはずの高湯だが、今年は事前情報通りに雪が無い。下山での長い歩きを覚悟する。料金所跡のすぐ上の駐車スペースに車を置き、ワゴン1台に5人で天元台に向かう。途中で忘れ物に気づいたメンバーがいて戻り50分のロス。出発時に忘れ物が無いか呼びかけたのになんてこった。それでも計画に余裕を見ていたので、天元台到着は10分遅れ程度までに追いついた。ロープウェイで登ったしらかばゲレンデはあちこち土が見えている。標高1,300m以上なのにこの状態は今年がいかに少雪なのかが分かる。リフトを乗り継いで登っていくと徐々にガスが濃くなる。ゲレンデトップでシールを貼りガスの中を出発。中大巓の北斜面をトラバースして登り稜線に出る。人形石の辺りのつもりだったがやや先に出てしまった。少し戻って指導標を確認する。
稜線はホワイトアウトではないものの、ガスが濃くて先の地形を確認できない。GPSで現在地を確認し、コンパスで方角を決めては進むを繰り返す。前日のものらしいスキーのトレースがあるが、そのトレースは右に行ったり左に行ったりで当てにはできそうにない。1860mピークを何とか左に目視し現在地を特定できた。しかし、次のピークの藤十郎とのコルで北に逸れてしまい進路を修正する。うっかりするとすぐ方向がずれてしまう。視界があれば何の苦も無いところだが、ガスが濃くては慎重に進まざるを得ない。左に藤十郎の斜面を見て進み、すぐ次の小ピークを左からトラバースすると弥兵衛平だ。なだらかで地形に特徴の無い弥兵衛平は視界が無いと厄介なところだ。コンパスでほぼ真東に歩いていくが、以前は見かけた昔のツアー標識を見つけることが出来ない。GPSを見るといつの間にか左に逸れてしまい、東大巓のピークを外してしまったことに気づいた。進路修正でロスしながらも東大巓を回り込み、尾根を東へと下降する。ここも視界が無いと進路が分かりにくい場所だ。次の兜山のピークは右から巻くのだが、回り込みすぎて少し戻った。昭元山とのコルへと下降すると夏道の標識を見つけた。夏道はコルからそのまま昭元山のピークへと登っていくが、冬は北側をトラバースする。もう近いはずと森の中を進むと、なんとなく見覚えのある斜面まで来た。予定より25分遅れで雪洞予定地に到着。
今年の積雪量はいつもより少ないが、北斜面には雪洞を作れる程度は積もっている。予定より25分遅れでの到着なので、早速雪洞作りを始める。全員ゴム手袋にして2箇所から掘り始める。始めはあれやこれや聞いてくるが、要領が分かってくると自然と作業を分担して掘り進めるようになる。2時間ほどで立派な雪洞が完成。2年前より広さも天井も余裕があるように思える。入口はブルーシートとツェルトで塞いで全員雪洞の中に入る。今回の食事担当は渡◯くんだがメニューは豚キムチ鍋だった。ほどよくアルコールも入ると、山談義で盛り上がり山の歌まで飛び出した。あの歌何だったかなと忘れた歌はスマホで検索。こんな山中でもスマホが使えるのだ。午後8時20分には全員シュラフに潜り込んだ。
<3月21日(月)>
午前5時起床。朝食を昨夜の残りスープのおじやで済ませる。予定どおりに7時ちょうどに出発する。天気は昨日より良くなっていて薄曇りでガスはかかっていない。昭元山の北斜面をトラバースしていくと烏帽子山とのコルに出る。ここまで来ると嬉しいことに青空が見えてきた。烏帽子山は南側をトラバースするのだが、雪が少なくて灌木が埋まっておらず歩きにくい。やがて無木立の斜面になるが、今度はカリカリに固い雪でやや緊張のトラバースとなる。南側に谷地平を見ながら稜線へと合流する。ここからはほぼ夏道どおりに稜線を歩いて行く。
ニセ烏帽子山から兵子分岐、そして家形山の斜面を登っていく。天気はますます良くなり眩しいほどだ。この合宿が久しぶりの山行の河◯さんが少し遅れ気味だが何とか大丈夫だろう。コンスタントに歩いていないと山の体力はたちまち落ちてしまうから怖い。尾根を登ると1850mで少し右に向かう。家形山の上部は平坦なので、進行方向を間違えないようにしたい。南斜面の肩に出ると五色沼が見えてきた。氷結した水面は白く輝いている。ほぼ無風で最高の天気と眺めにメンバーからも声が上がる。地面の露出した山頂部で雪が繋がってなかったので、少しだけツボ足になったがすぐスキーに戻る。
家形山東斜面はカリカリバーンだったがシールを剥がしてコルまで滑った。コルから大岩までは地面が出ているのでスキーを担いで歩く。大岩から少し下ると雪が繋がっているようなのでスキーに切り替える。雪の残っている沢筋を滑ることにしたが、雪質が目まぐるしく変化して転倒者が続出する。重い荷物に疲れた足なので慎重に滑ろう。この辺だろうと沢の左岸へ上がると、ちょうど目に入った緑布に導かれて慶応吾妻山荘に到着。管理人の大柿さんに下山ルートの雪の状況を尋ねたいので、小屋の中で昼食を取らせてもらう。大柿さんによるとやはり吾妻スキー場跡はやめた方が良さそうで、夏道ルートも磐梯吾妻スカイラインから下は滑るのは厳しいが、反対側の尾根の斜面は滑ることが出来るかもしれないという。行ってみて判断するとしよう。
雪が少ない上に固いが賽河原までは問題ない。そこから下はルートが掘れているところもあり慎重に滑り降りる。途中で横断した磐梯吾妻スカイラインは、早くも舗装が見渡すかぎり全面露出していた。少し滑ると夏道沿いは雪が無くなり歩きになりそうなので、右岸斜面に移って下降していく。自分は右岸斜面は初めてだが、所々に赤布があるのでルートとして使われているようだ。高度を下げると雪がどんどん消えていき、途中で他のメンバーはスキーを担いだが、自分は頑張って雪を拾い滑り降りる。これ以上は無理というところで、沢を渡って左岸に移り皆が来るのを待った。作業道跡を辿って登山道に出ると、磐梯吾妻スカイラインにある登山口まではすぐだった。閉まっているゲートの上にロータリー除雪車が1台置いてある。舗装道歩きを嫌い登山道で下り、計画の10分遅れで駐車場所に到着した。無事2日間の縦走合宿を終えることができ、天気とメンバーに感謝である。解散後自分と渡◯くんは天元台へと車を回収に向かった。ロープウェイ駅で下山報告を行い、白布森の館(395円)で2日間の汗を流した。
※緊急ビバークでは何も立派な雪洞を作る必要は無い。そんな余裕は無いだろう。雪に体を隠せる程度のくぼみなら短時間で掘ることができる。場合によってはツリーホールを利用してもいい。命を守るためにはとにかく風を避けることが大切になる。(K.Ku)
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概念図 |
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ルート |
1日目=赤 2日目=青 |
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