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No5301
月山・肘折
1979.8m一等三角点峰
山行種別 山スキー
がっさん・ひじおり 地形図

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山行期間 2016年4月10日(日)
コースタイム 姥沢(7:10)=リフト上駅(8:13)→月山(10:00,10:21)→千本桜(10:36)→清川橋(11:05,11:30)→念仏ヶ原避難小屋(12:25,13:00)→小岳(13:46)→赤沢川二俣(14:15)→ネコマタ沢源頭(14:42,14:54)→大森山コル(15:50)→大森山頂(16:17,16:50)→林道(17:00)→肘折・朝日台(17:30,17:45)=姥沢(19:35)
写真 写真は拡大して見ることが出来ます
前日に車をデポするため肘折温泉へ 朝日台の車デポ地点 リフトは10日から営業開始
牛首へと登る 急斜面も雪が緩んで登りやすい あっという間にガスがかかる
山頂で滑降準備 ガスが晴れてきた 大斜面を滑る
千本桜よりこれから辿るルートを見る 千本桜の急斜面 立谷沢川へと下る
清川橋 140mほど登り返す 念仏ヶ原を歩く
すっかり現れた念仏ヶ原避難小屋 念仏ヶ原避難小屋で昼食休憩 月山をバックに
尾根を辿ってゆく 左手には月山がずっと見えている アップダウンが続く
赤沢川の支沢へ 雪が重くなってきた ネコマタ沢源頭はズタズタ
急斜面を下る 4度目のシール登高 北斜面をトラバース
大森山急斜面 キックステップで登る 大森山の山頂
急斜面を滑る 日も傾いてきた ゴールはもうすぐ

行動記録
 月山のスキールートでも最長となる肘折温泉までのツアーを、月山スキー場のオープンに合わせて計画した。このルートはリフトで登ってからスタートしても、全長約20キロになるロングルートである。中間地点の念仏ヶ原で泊としての2日間で行う場合も多いのだが、自分はワンデイで抜けるほうが好みだ。今回のパーティーは5人だが、自分以外の4人はこのルートは初めてとなる。うち2名は山スキー2シーズン目だが、最近めきめきと力を付けているので体力的には問題ないだろう。気がかりは雪の量で、肘折のアメダス観測データを見ていると1日に10センチ以上解ける日もある。場合によっては少々スキーを担ぐことも覚悟してツアーに臨むことにした。
 前日に自分の車を肘折の朝日台にデポして渡◯くんの車で月山に移動する。10日は別パーティーで月山に登る和◯さん達と合流し、弓張平某所で8人でのテント泊とした。入山祝いと称して賑やかな夜を過ごす。満天の星が印象的な夜だった。10日朝は和◯さん達に姥沢まで送ってもらう。この時期はまだ県道が志津温泉の上で午後7時から翌朝7時まで夜間通行止めなので、ツアー後に肘折から戻るのが遅くなる我々は姥沢に車を置いておけないのだ。今日のスキー場オープンを待つスキーヤーの車の列に加わり、7時にゲートが開くと姥沢へ上がる。リフト下駅で登山届を出し、8時運転開始のリフト(580円)には3人目に乗り込んだ。高曇りの空の下、リフト上駅からスキーを担いで少し登ってから、四ツ谷川源頭へとトラバース気味に滑る。スケーティングで距離を伸ばしてからシールを貼って登り、牛首の尾根に乗ると小休止して斜面を観察。雪は少ないが夏道どおりに登れそうだ。いつもはアイスバーンの急斜面だが、今日は緩んでいるのでスキーのエッジが効く。難なく稜線へと到達したが風が強くガスで視界も無い。頂上小屋の陰で後続を待ってから月山神社の方へ移動して山頂を踏む。
 視界は無いがガス待ちしている余裕は無いので、シールを剥がしてコンパスで方向を決めると滑り始める。南へトラバース気味に滑ってから東へ方向を変える。100m以上標高を下げるとガスが薄れてきた。視界があればもうこちらのもの、大斜面を飛ばすとたちまち千本桜だ。念仏ヶ原やその先の辿ることになる尾根が見える。天気も上々で風も無いツアー日和に気持ちも高揚する。千本桜の下は急斜面でツアールートは夏道のある尾根を辿るが、我々は立谷沢川へ下りる沢筋を滑ることにした。急斜面の滑降を楽しみ立谷沢川に降り立つ。沢は埋まっていたが滑っていくとすぐ口を開け始め、あらためて今年の雪の少なさを実感する。落ちないように注意しながら滑るが、自分は不注意からクラックで転倒し、危うくスキーを沢に落とす寸前で冷や汗をかく。左岸から下りてきたスキーのトレースがあり、おそらく毎年恒例のツアーをやっている西川山岳会のパーティーだろうと見当を付ける。立谷沢川の清川橋はすっかり出ていた。
 休憩して沢から水を補給しシールを貼り対岸へ渡る。登り返しで一汗かくと念仏ヶ原だ。ここからは月山の眺めが素晴らしいので、時々振り返り画像を撮りながら歩いて行く。念仏ヶ原避難小屋に到着すると小屋はすっかり現れていた。小屋周辺には多数の足跡があり、大人数で泊まったのであろうことがうかがい知れる。我々も月山を眺めながらの昼食とする。神々しく光る月山に抱かれたここはまさに別天地だ。予定どおり午後1時きっかりに後半のスタート。しばらくはアップダウンがあるのでシールのまま歩く。
 小岳のピークを過ぎたところでやっとシールを剥がして滑降だ。赤沢川の支沢に滑り込むが、気温が上がり重くなった雪でスキーが走らない。西川山岳会トレースは沢に下りずに左岸尾根を辿ったようだ。沢の二俣まで下ると3度目のシール登高で、赤砂山手前のネコマタ沢源頭だ。斜面の雪は少なくてクラックも入り滑るのは無理かと思ったが、少し下がると西川山岳会のトレースもあったので我々も滑り降りる。沢底でGPSを拾うというおまけもあり(落とし主の西川山岳会メンバーに後日無事返却)、二俣からは4度目のシール登高で778m標高点の尾根に登る。尾根を少し辿り北斜面をトラバースしていくと大森山のコルに着いた。
 大森山の山頂までの急斜面はキックステップで登る。シールで登れないこともないが、ツリーホールだらけの斜面はツボ足の方が楽だろう。ロングツアー終盤で120mの急登はことさらきつく感じる。山頂に到着すると展望が広がり、北東には車をデポした朝日台が見える。数時間前に通過したであろう西川山岳会が残した雪のテーブルがあり、後続を待って長めの休憩とする。西には遠く月山が望め、辿ってきた道のりに思いをはせる。山頂から急斜面を滑り降りて林道に合流。平坦な林道を漕いで進み、最後の急斜面を滑ると朝日台だ。予定の時間ぴったりにデポした車に到着。いつものことだが自然に万歳してしまう。無事肘折ツアーができたことに感謝。しかしこれで終わりでは無い。車で今朝のスタート地点まで2時間弱かけて戻らなければならない。そこから各々帰宅して今日の長いツアーが終わる。
※最後までスキーで滑るには、肘折のアメダスでの積雪深が50センチは欲しい。それ以下の場合でもツアーは可能だが、林道から朝日台の間でスキーを担ぐ所が出てくるのを覚悟だろう。この時期は1日で10センチ以上融けてしまうことも珍しくない。今回は10日午前1時で60センチあったが、1週間後の17日にはゼロになってしまった。今年の肘折ツアーはやはり今回がラストチャンスだったということだ。(K.Ku)

概念図

ルート ルート=赤

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