今シーズンから山スキーをやりたいという方が3名現れたので講習会をやることにした。サポート及び足慣らしのメンバーも可として告知したところ9名パーティーとなった。場所はすみかわスキー場から刈田岳にした。スキー場をベースにしての山スキーが容易であり、雪上車道を利用できるという利点がある。
初山スキーの3人はゲレンデで講習することにして、他の5人には歩いてゲレンデトップまで登ってもらうことにした。60歳に57歳が2人と年齢は高いがやる気満々の3人だ。自分のかなりくたびれている持ち物と比べると、3人は板からブーツからザックから何からすべてがピカピカで眩しい。ビンディングのこと、シールの扱い方、足の運び方などをレクチャーし、少しシール登高してみる。問題無いようなのでリフト3本乗り継いでゲレンデトップへ。リフトを降りてシールを貼っていると、他の5人が歩いてきて合流。まだヤブが埋まっていないのでショートカットはせずに雪上車道を歩いていく。今日は高曇りで刈田岳がくっきりと見えているし風も穏やかという好条件。途中から他の5人は道を離れた。剣が峰から刈田岳へというルートだ。こちらは道なりに歩いていく。やがて井戸沢の源頭斜面が見えてきた。ボードやスキーのトレースが見える。
井戸沢左手の斜面に取り付いて登り始める。3人のうち順調な2人は、ちょうど知り合いが滑ってから登り返してきたので、刈田岳避難小屋まで連れて行ってもらうことにした。もう1人と自分は、滑り降りてくるスキーヤーやボーダーを横目にゆっくりと登っていく。そのうちたちまちガスがかかってきた。しまったと思ったがもう遅い。既に避難小屋に到着していた7人には降りてもらうよう連絡する。降りてきた7人と交差すると小屋にタッチし、すぐシールを剥がして滑り降りて合流した。視界がかなり厳しくなったので慎重に下降する。初山スキーの3人にとって斜面が見えない状態での下降は初体験だろう。転倒者続出だがやっと道まで下降することができた。遅い昼食を取ると道なりに滑り降りる。標高を下げると視界も戻り雪上車道にスキーを走らせる。ゲレンデを滑り降りてレストハウスに到着し講習会を終了した。
自分が2009年12月 に山スキーを始めたのも刈田岳だった。リーダーについていくだけで精いっぱいだった記憶がある。あれから8年が経った。今回山スキーを初体験した3人にも今後ずっと続けてもらいたいと思う。素晴らしい体験のできる世界に自らの意思で一歩踏み出したのだから。(K.Ku)