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No6276
蔵王・屏風岳
山行種別    山スキー
ざおう・びょうぶだけ 地形図

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山行期間 2020年2月19日(土)
コースタイム
蔵王観測所(8:10)→斜面取り付き(8:45)→稜線(12:40)→ドロップポイント(12:59,13:27)→林道(14:47)→蔵王観測所(14:56)
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麓からの見る屏風岳 蔵王観測所からスタート 林道の雪は繋がっている
夏道を辿る ルートミスで手間取る 雪不足もあり藪っぽい
屏風岳東面の下部はかつてなく黒い 例年なら埋まっているダケカンバの森 キックステップで登る
いつしか大○さんがトップに 稜線に到達 山頂方向はガスっぽい
滑走斜面をピットチェック トップは菊○さん パワフルな大○さん
池○さんが滑る 思ったよりスキーが走る ゴール

行動記録
 今シーズン屏風岳の東斜面滑降は雪不足もあり難しいだろうと思っていた。しかし、自分を奮い立たせてトライしてみることにした。メンバーいずれ劣らぬツワモノぞろいの5人パーティー。先週東北大学蔵王観測所の積雪状況を下見し1週間後でも大丈夫だろうと判断した。観測所からのピストンは5年ぶりになる。観測所までの道に雪は少ないので現地集合とした。残雪の上に車を乗り入れ準備する。すぐスキーで歩くことができるのだが、薄皮1枚の雪なので来週は無理だろうと思われた。林道を辿り左ヘアピンカーブで斜面に入る。雪は少ないものの登高に支障はない。ほぼ登山道なりに歩いているつもりだったが、いつの間にか北によりすぎてしまったようだ。構わず斜面をトラバースしていく。この辺りからコルを目指そうかと、いつもとは違う小尾根を登り始めたがこれが失敗だった。雪不足で小沢が埋まっておらず黒々とした樹林帯にも阻まれる。いつもよりかなり手間取りやっと東斜面の下に出る。
 稜線までは急斜面なので自分はスキーを担いでキックステップ。他の4人はシールで登ってみるというので自由に任せた。案の定途中で厳しくなり全員スキーを担ぐことになった。こういう場所になると自然に大○女史がトップになるのはこの頃見慣れた風景になった。ラインの選び方はまだ甘いが体力では全然敵わないので、自分は下からやいのやいの言うしかできない。全員稜線に到達したことを確認し屏風岳の山頂方向に移動する。しかし、山頂付近はガスがかかり直下の斜面があまり見えない。しばし考えたが無理することはないので、山頂よりガスが薄く斜度も幾分緩い手前の斜面を滑ることにした。数日前に降雪があり雪質が気になっていたのでピットチェックする。7センチ下とさらに10センチほど下に弱層を確認。上層はウインドパックでまだ結合が弱いようだ。弱層より下は安定しているが表層雪崩の可能性が考えられた。雪崩れるとしても層が薄く斜面下部は広がっているので注意して滑ることにした。滑降は必ずひとりずつとし、他のメンバーは滑降者が止まるまで目を離さないこと、もし流された場合は目を離さず追い続けることを確認した。
 トップは屏風岳滑降の経験豊富な菊○さん。いつもの切れのいいジャンプターンでたちまち滑り降りていく。それを見て3人が続きそれぞれのシュプールを描いていく。4人の滑降を見届けて最後に自分が滑る。2ターン目で足元の雪が横にぱっくり割れて落ちていった。表層雪崩が発生したのだ。下でカメラを構えていた池○さんが慌てて横に逃げるのが見える。雪崩は小規模だったが下で待ちながら見上げていたメンバーは驚いただろう。雪崩が斜面の下に到達し止まったのを確認してから滑り降りる。ある程度予想していたとはいえ実際に5人目の自分で雪崩れるとはびっくりした。気持ちを落ち着けてから下降にかかる。秋山沢源頭の小沢沿いに滑り降りる。頃合いを見て右岸斜面に上がるといつものルートである。往路もここを歩きたかったのだがミスったのだ。午後は雪が重くなることも覚悟していたが、意外や湿雪になってもスキーが走ってくれた。観測所まで滑り降りて終了。懸案事項をひとつ片付けた気分である。
 山スキーをやっていれば雪崩のリスクは当然高くなる。冬はもっぱら山スキーオンリーの自分だが、これまで何度か雪崩に遭遇し巻き込まれたことがある。幸い大きな雪崩には遭遇しなったし埋没することもなかったので、まだこうして山スキーをやっていられる。山スキーに限らず雪山に入る限り100%の安全策は無い。リスク管理からすれば山に入らないことが一番の対策になる。それを承知のうえで山に入り山スキーをやりたい自分がいる。相手が自然なだけにすべてを予測することはできない。生き延びるにはリスクをどこまで低減できるかが重要になる。油断は禁物とあらためて肝に銘じつつ、また来週も山に登り滑る自分がいる。(熊)

.概念図

.ルート図 往路=赤 復路=青.
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものです。(承認番号 令元情複、 第435号)この画像をさらに複製する場合には国土地理院の長の承認が必要です。

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