朝から雨模様。しかし予報では午後から回復傾向のようなので蔵王の杉ヶ峰を目指すことにした。すみかわスキー場をスタートしたが時々雨が降ってくる。ウエアは濡れそぼってくるがそのうち上るだろうと歩いていく。こんな天気でもリフト営業中なのでゲレンデは登らずに雪上車道をトレースする。
途中から中央コースに入る。雪は少ないが歩くには問題ない。我々以外には誰も見当たらないがこの天気では当たり前か。と思っていると上から声が聞こえてくる。登っていくとボーダーの8人ほどのグループが休憩中。キャットツアーのグループのようだ。こんな天気でもボーダーの若者たちは元気だ。ガスは抜けそうもないので杉ヶ峰は諦め刈田岳のピストンに変更する。
雨はいつしか小さな氷の粒となった。ウエアに落ちて音を立て風が吹くと顔にパチパチと当たる。ガスで視界が利かないが斜度からして剣ヶ峰の辺りだろうと推測。目印の竹竿があるので何とかルートをたどれる状態。突然刈田岳避難小屋がガスの中に現れた。濃いガスで目の間にくるまで何も見えないのだ。キャットツアーのグループ5人が小屋から出てきたのと入れ替わりに小屋に入る。ストーブをつけて昼食とする。ずぶ濡れなので火がありがたい。体からさかんに蒸気が白く立ち上る。ガス待ちもかねて小屋でゆっくりするがもちろんウエアが乾くはずもない。
1時間近くいて外に出るとガスは変わらず。かえって濃くなりミルクの中にいるようで感覚がおかしくなる。目標物がないと自分では止まっているのか動いているのか分からなくなる。ゆっくりと下っていくと視界が戻ってきた。やれやれとひと安心。結局最後まで天気は回復せず。スキー場から見ると下界では陽も差しているようだ。すっかり当てが外れたがトレーニングと思えばこれもありか。帰り道でフキノトウ採り。帰宅して春の香りを味わった。(熊)