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Fukushimatoukoukai HomePage
No.3713
飯豊山 2105.1m一等三角点峰
山行種別 山スキー
いいでさん 地形図 飯豊山、大日岳、川入


■山行期間 2005年5月4日〜6日
■コースタイム 5月4日 川入(6:40)→御沢登山口(7:24)→ドンガ沢(タカツコ沢)出合(8:06,8:27)→御沢登山口(9:06,9:12)→1235m小白布分岐(11:10,11:22)→地蔵山トラバース(12:00)→三国岳(13:03,13:17)→切合小屋(15:00)
5月5日 切合小屋(615)→上追流沢滑降→ビンカガグチ沢出合(6:47,7:00)→上追流沢登り返し→切合小屋(8:16,8:45)→草履塚(9:12)→一ノ王子(10:35)→飯豊本山(10:59,11:25)→ビンカガグチ沢滑降→1055m地点・シール装着(11:56,12:07)→上追流沢出合(12:12)→上追流沢登り返し→切合小屋(13:46)
5月6日 切合小屋(6:34)→草履塚(657)→一ノ王子(8:06,8:19)→東尾根滑降→御秘所沢出合・シール装着(8:40,8:55)→切合小屋(9:47,10:20)→三国岳(11:42,11:55)→地蔵山手前(12:35)→1055m上十五里下(13:15,13:25)→御沢登山口(14:26)→川入(15:19)
■写真
御沢登山口 剣ヶ峰全景 三国岳から七森への下り
飯豊本山 ビンガカクチ沢滑降 御前坂を登る
飯豊本山からの東尾根 東尾根を降る 切合の尾根に取り付き登り返す
種蒔山から七森への下り 雪が消えるとブナの新緑が 新装なった御沢キャンプ場

■行動記録
5月4日
 福島4:00発。4月23日の松ノ木尾根から三国までの偵察山行と同様に川入集落の手前に車を置く。6:40スキーをザックにつけ出発。天候は快晴。2週間の間に雪解けが進み、林道はほとんど雪が消えていた。新しくなった御沢キャンプ場からスキーをはく。7:24御沢登山口着。登山口の西の小沢から段丘上にあがり杉林の中をタカツコ沢に向かう。タカツコ沢の沢床、松ノ木尾根の斜面も雪がほとんどとけ、さらにドンガ沢出合にあったスノーブリッジもなくなり渡渉ができなくなっていた。逡巡した結果、御沢登山口まで戻り長坂尾根から剣ヶ峰経由で三国岳に向かうことにする。
 9:12御沢登山口を再出発する。1時間32分のタイムロスと体力のロスであった。長坂を2泊3日の装備+スキーの重荷に耐えて登る。1ピッチ少々で標高1000m付近から雪が続くようになりスキーをつけシール登高する。11:10 2時間弱で小白布沢コースの分岐。4名パーティが下っていくのが見え、さらに下の林道には2台の車が停車してあるのが見える。横峰からはタカツコ沢上部、剣ヶ峰、三国岳が見え眺めが良い。地蔵山は1400m付近からトラバースする。剣ヶ峰は下部がナイフリッジ、上部は雪と岩のミックスでスキーを担いで登る。風が強くあおられる。13:03三国小屋着。
 七森は雪がついていれば稜線下をトラバースしてほぼレベルで種蒔山手前のコルまで行けるのだが、雪が消えており夏道通りのルートをとる。アップダウンがありスキーを担いでの登高は苦しい。種蒔山手前の急斜面を登るとやっとスキーの世界となる。種蒔山は尾根が広いため赤旗を立てる。切合小屋手前のピークでシールをはずし標高差50mの斜面を滑降する。15:00切合小屋着。小屋には約15名の登山者がいたがスキー登山は我々だけであった。小屋周辺も雪が消え夏道の種蒔分岐の50m小屋側までホースで水が引かれていた。また小屋のトイレも1つ使用可能であった。

5月5日
 天候晴れ。今日は今回の山行目的であるビンカガグチ沢滑降の日である。ビンカガグチ沢は前川の本流で飯豊山神社と山頂との間につきあげている沢である。6:15切合小屋を出発し登り返す予定の上追流沢を下見に滑降する。切合小屋の裏(西)の水場へ下りていくとすぐに雪渓となる。早朝のため雪がクラストし慎重に滑降する。正面には大日岳、牛首山の黒羽尾根、中央稜、シシ笠尾根、オンベ松尾根が見え、下るほどに迫力をます。二股から下は幅100m以上の広い沢となる。流水による溝で波板の上を滑っているようで快適ではない。6:47ビンカガグチ沢出合着。心配した出合の滝は現れてなく、赤旗を2本立て目印とする。登りもシールで登れる斜度で出合から標高差670mを1時間16分で切合小屋まで登り返す。
 小休止後、今度は飯豊山頂を目指す。草履塚でシールをはずし雪のついている御秘所沢側(登山道の東側)を滑降する。標高差で80m滑り、姥権現からスキーを担ぎ雪のない御前坂を登る。強風と上追流沢往復の疲れからピッチはあがらない。登りながらビンカガグチ沢を観察すると沢本流はかなりの斜度があるため、二股までは間の尾根を滑った方が良さそうだ。
 10:59飯豊山山頂着。通算で18回目の山頂である。天候良好で大日岳から?差岳までの大パノラマが広がる。駒形山から3人パーティが登ってくるのが見える。山頂から少し戻った雪渓上で腹ごしらえをし、いよいよ滑降を開始する。最初は真南に向かって大斜面を快適に滑る。まっすぐ行くと急傾斜の沢に落ちてしまうのでトラバース気味に二股の間の尾根を目指す。尾根上にはブッシュが出ているので良い目印となる。二股までは斜度を増した尾根を滑り沢へ降りる。二股は標高1580mで前回(2000年5月)はここから山頂へ登り返した。ここから先が未滑降だが幅広の沢を順調に下る。雪が腐りすぎてスキー操作が重くなってくる。沢がカーブする手前の標高1240mの急斜面にクレバスがあるが幸い幅50cm、スキー4本分位雪がつながっており慎重に通過する。1984年8月の宍戸パーティの記録から豊実沢出合上部の20m(F15)、7m(F16)の連瀑と思われる。
剣ヶ峰のナイフリッジ 上追流沢全景

 標高1200mから下流はゴルジュ気味となり険悪な雰囲気だか特に問題はなかった。ところが、雪面に気を取られ下見に立てた赤旗を見逃し、距離で200m、標高1055mまで下りすぎてしまった(上追流沢出合は標高1070m)。シールをつけ5分登り返すと上追流沢出合で、赤旗の5m脇にシュプールがありガッカリした次第である。
 12:12上追流沢出合から朝と同様に登り返し、13:46切合小屋着。今日の滑降(=登高)高度差は1785mであった。小屋には誰もいなく我々だけであった。

5月6日
 天気は下り気味の予報だが日中いっぱいは保ちそうである。3日連続の晴天で幸運である。今日は本山東尾根(通称:アパッチ尾根)を滑り切合小屋への尾根を登り返す予定、過去に2度(2000年5月、2003年3月)トレースしていて悪い所はないので気は楽である。
 6:34切合小屋発。疲れのたまった足にムチ打って草履塚まで登る。昨日と同様にシールを外し姥権現まで滑降。御秘所はスキーを担ぐがその先で再びシールをつけ御前坂の東をシール登高する。8:06一ノ王子着。一ノ王子からは広い尾根上を忠実に滑る。雪の腐り具合、斜度とも絶好で滑りが快適で楽しい。前回までは標高1800m付近尾根の分岐手前から御秘所沢へ降りていたのだが、沢中の滑降は単調なので今回はその先まで尾根上を滑ることにする。標高1550mまで快適極楽的大斜面が続き、尾根末端の小沢から出合のすぐ上に降りることができた。標高差720m、21分間の滑降であった。
 出合でシールをつけ、沢の中を登り返す。草履塚への沢の出合から切合小屋への尾根にのり9:47切合小屋着。水を補給してから種蒔山までシールで登る。シールを外して種蒔山と急斜面の下りを滑降すると、三国岳までスキーを担ぐ。
 剣ヶ峰もスキーを担いで下る。上部の鎖場2カ所を含めた岩場と両側が切れ不安定に雪が残っている部分はやはり危ない。地蔵山の手前でスキーをつけ上十五里の下、標高1055mまではスキーで滑降する。どうもスキーにブレーキがかかると思ったらソールに雪面の汚れがついて真っ黒になっていた。
 ここから下はスキーをつけたり担いだりしながら標高935mまで下り、スキーをザックにつける。周りはブナの新緑とイワウチワが満開で、今が一番森が輝いている時かもしれない。嬉しそうにブヨの群れも寄ってくる。御沢登山口14:26着。川入まで林道をゆっくり歩いて15:19車に到着、山行を終えた。
 「いいでの湯」で3日間の汗を流し、喜多方ラーメンで栄養を補給してから家路についた。(Y.T)

■概念図


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