
借金返済は計画的に進めたいものですが、焦りや不安から思わぬ失敗をしてしまうケースも少なくありません。実は多くの人が同じような間違いを繰り返しており、それが返済の長期化や債務の増加につながっています。
借金で借金を返す「自転車操業」
返済が苦しくなったとき、つい別の金融機関から借り入れて返済に充ててしまう。これは最もやってはいけない行動の一つです。目の前の返済日をしのぐことはできるかもしれませんが、結果的に借入総額は増え続けます。
自転車操業の悪循環
たとえばA社への返済3万円が難しくて、B社から3万円を借りたとしましょう。
A社への返済は完了しますが、今度はB社への返済が残ります。しかもB社から借りた3万円には利息が加わるため、実質的な負担は増加してしまうのです。
こうした状況が続くと、雪だるま式に借金が膨らむ悪循環に陥ります。
| NG行動 | 結果 |
|---|---|
| 返済のために新規借入 | 借入総額が増加し、利息負担も増大 |
| 複数社からの借入を繰り返す | 返済日が複雑化し、管理が困難に |
| 金利を確認せず借りる | 高金利で返済額がさらに膨らむ |
一時しのぎの借入は、問題の先送りに過ぎません。返済が厳しいと感じたら、早めに専門家や相談窓口に相談することが大切です。
督促や連絡を無視する

金融機関からの電話や通知を無視し続けるのも避けるべき行動です。怖い、恥ずかしい、どう対応すればいいか分からない。そんな気持ちから連絡を避けたくなる気持ちは理解できますが、放置すると事態は悪化する一方です。
連絡を無視するとどうなるか
督促を無視すると、遅延損害金が発生します。通常の利息に加えて追加の負担が生じるため、返済総額はどんどん増えていきます。さらに放置を続けると、最終的には法的措置を取られる可能性もあるのです。
- 遅延損害金の発生により、返済総額が増加する
- 信用情報に傷がつき、今後の借入や契約に影響が出る
- 給料の差し押さえなど、法的手続きに進むリスクがある
- 家族や職場に知られる可能性が高まる
返済が難しい状況でも、まず連絡を取ることで返済計画の見直しや相談ができる場合があります。早めの対応が解決への第一歩となります。
最低返済額だけを払い続ける
毎月の負担を軽くしたいからと、最低返済額だけを支払い続けるのも注意が必要です。確かに月々の支払いは楽になりますが、返済期間が長引き、結果的に多くの利息を支払うことになります。
利息の仕組みを理解しよう
カードローンやリボ払いの返済額には、利息と元本が含まれています。最低返済額では利息の割合が大きく、元本がなかなか減りません。
そのため完済までに何年もかかり、支払総額が当初の借入額の何倍にもなることがあります。
| 返済方法 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 最低返済額のみ | 月々の負担は軽い | 返済期間が長期化し、利息総額が増大 |
| 増額返済 | 元本が早く減る | 無理のない範囲で計画的に |
| 繰上返済 | 利息を大幅に削減できる | 手数料の有無を確認する |
できる範囲で返済額を増やすことが、長期的には大きな節約につながります。余裕のある月は少しでも多めに返済するよう心がけましょう。
収支の把握をせず漠然と返済
毎月何となく返済を続けているだけでは、いつまで経っても完済の見通しが立ちません。自分の借入状況や家計の収支を正確に把握していないことも、返済が長引く大きな原因です。
現状把握の重要性
どこからいくら借りているのか、金利は何パーセントなのか、毎月の返済額の内訳はどうなっているのか。これらを明確にすることで、効率的な返済計画が立てられます。
複数の借入先がある場合は特に、全体像を一覧にまとめることが重要です。
- すべての借入先と借入残高をリストアップする
- 各借入の金利と毎月の返済額を確認する
- 収入と支出を書き出し、返済に充てられる額を計算する
- 返済シミュレーションを使って完済時期を把握する
- 定期的に進捗を確認し、計画を見直す
数字で見える化することで、現実と向き合うきっかけになります。つらい作業かもしれませんが、これが返済成功への第一歩となるでしょう。